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sH レポート
業界向けの試飲会やイヴェントの模様、インポーターやメゾンの話題などを、シュワリスタ視点でレポートします
Vol.25
11.3.4 up

『アンリ・ド・ヴォージャンシー』
生産者インタビュー

text: 15代目六兵衛  photo: Alfred 白丘
取材協力: 有限会社ヌーヴェルセレクション

sH エクスクルーシヴ インタビュー

【アンリ・ド・ヴォージャンシー概要】
1732年創業、コート・デ・ブラン地区のオジェ村に8ヘクタールの畑を持つアンリ・ド・ヴォージャンシー。非常に生産量が限られており、日本にも限られた本数しか輸入されておりません。今回は、初来日の当主パスカル・アンリさんにインタビュー。初めての日本を楽しまれているパスカルさん。リラックスした雰囲気の中で、アンリ・ド・ヴォージャンシーの代表ともいうべき、ハートのエチケットの由来や結婚に関する博物館を併設するほどのアンリさんに結婚感など、興味深い話の数々。1年のほとんどを畑で過ごす彼からはシャンパーニュ造りにたいする自信と技術者の気質がうかがえました。

アンリ・ド・ヴォージャンシーといえば主要アイテムとなる"Cuvée des amoureux"について、日本でもお祝い事や結婚式でシャンパーニュは利用されていますが、なぜこのようなキュヴェの名前を付けたのでしょうか?

PH:  もともと父親の代より、シャンパーニュのメゾンであると同時に18世紀〜19世紀の"結婚"にまつわる博物館を営んでおり、それがきっかけで、"愛し合うカップルのためのキュヴェ"という名前になりました。その博物館では色々なオブジェや当時の結婚式で使用したものを展示してあります。

ちなみにどれぐらいのカップルが訪問したのでしょうか?

PH:  100組以上は訪問しているのではないでしょうか。

やはりハネムーンでの訪問が多いのでしょうか?

PH:  もちろん、常に歓迎はしておりますが、宿泊用のお部屋は基本的にはご用意しておりません。レストランはございます。ですからむしろ結婚記念日での訪問が多いですね。シェフは私の妻が務めているんですよ。レストランの雰囲気は大変親しみやすく、たくさんのグループに使っていただいております。まず博物館で見学を楽しんでいただき、シャンパーニュ試飲をしていただき、最後にお食事を楽しんでいただく流れが多いですね。もちろん日本からのお客様も大歓迎です。ご予約を受け付けております。サブラージュもしていただけます。

日本ではフランスとは違い、婚姻率が年々下がっています。アンリさんが考える結婚のコツとは何でしょうか?

PH:  結婚は人生において大事なことですので、慎重になるのは当然でしょう。ですが、大事なのは結婚をしてからです。いかに2人の愛をはぐくむかが一番のポイントです。

結婚、といえばマリアージュ。お勧めのシャンパーニュとのマリアージュを教えてください。

PH:  もちろんご存じの通り、どんな食事でもあわせていただけますが、やはりフレッシュな魚介類やフォアグラでしょう。魚介類をグリルした際には、ソースなどは使わず、ブラン・ド・ブランに合わせていただきたいですね。食後にゆったりとチョコレートなどのスウィーツと合わせていただくのもいいですね。日本料理ですと、お寿司でしょうね。なかなかフランスでは本物のお寿司を食べることは難しいですが、ランスにもいくつか好きなお店があります。こういった風にシャンパーニュによってグルメのヴァリエーションもどんどん広がっていくのです。

例えばヴァレンタインデーでは、前の質問にもあったおすすめのスウィーツとは?

PH:  私のおすすめは、断然チョコレートですね。フォレ・ノワールというガトーもお勧めです。そしておすすめのシャンパーニュはキュヴェ=ルイです(ちなみにルイとはパスカル氏の息子さんのお名前)。こちらのキュヴェはドザージュを一切行わず、超古樹ならではの複雑な風味が楽しめます。スウィーツには通常ドゥミ・セックなどの甘口はあわせず、あえて最高級の辛口で楽しんでいただきたいのです。

今後新しいキュヴェを増やす予定はありますか?

PH:  安定した供給は私たちにとって一番大切なことです。ですが、新しい試みに挑戦していきたいと思っています。たとえば、ロゼのリリースですね。

その際ピノ・ノワールはどこのものを使われますか?

PH:  ブジーより購入します。

Cuvée Elegance Blanc de Blancs Grand Cruより、10年分のワインのブレンドとされていますが、なぜ10年ものたくさんの年からのブレンドなのでしょうか?

PH:  実際10年分までしか貯蔵庫がないからなのです。しかし、10年と確かに区切りは良く単純に見えますが、実際は説明するには非常に複雑な味わいです。

フランスで結婚のシンボルとされている鳩のマークとハートの形をエチケットに持つアンリ・ド・ヴォージャンシー キュヴェ・デ・ザムルー。ヴァレンタインデーのプレゼントや、結婚式の乾杯のシャンパーニュだけではなく、日常のちょっとした自分のご褒美に使ってみてはいかがでしょうか、いつもより少し幸せな気分になれること間違いなしです。

HENRY DE VAUGENCYが楽しめるお店

【東京】
ピエール・ガニェール

住所:東京都港区赤坂1-12-33
番号:03-3505-1111
URL:http://www.anaintercontinental-tokyo.jp/pierre_gagnaire/

【名古屋】
ラ・クープ・ドゥ・シャンパーニュ

住所:名古屋市中区丸の内3-16-34
番号:052-961-8716
URL:http://www.maruzushi.com/lacoupe.htm

【大阪】
ラ・シャンパーニュ

住所:大阪市北区堂島1-3-22 堂島タウンビルディング2F
番号:06-6345-1968
URL:http://www.la-champagne.jp/

Line Up

Cuvée des Amoureux Blanc de Blancs Grand Cru

キュヴェ・デ・ザルムルー・ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ

オジェのシャルドネ100%。現行品は2001年が80%、1996年が20%ブレンド。キュヴェ・デ・ザムルーは「愛し合うためのカップルのためのキュヴェ」という意味。

Cuvée Elégance Blanc de Blancs Grand Cru

キュヴェ・エレガンス・ザルムルー・ブラン・ド・ブラン・グラン・クリュ

オジェのシャルドネ100%、特に優れた区画のぶどうから作った10年分のワインからのブレンドです。毎年500〜2000本のみの限定キュヴェ。

Cuvée Louis Non Dosé Très Vieilles Vignes Grand Cru

キュヴェ・ルイ・ノン・ドゼ・トレ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・グラン・クリュ

オジェの区画のうち樹齢75年の0.45haの「Echaly」のぶどうのみから造られます。ドサージュ量は0g。キュヴェ名の「ルイ」はアンリさんの息子さんの名前。」毎年720本のみリリースの最高キュヴェ。

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