Home > 連載 > センス・オブ・シャンパーニュ「アヴァンギャルド・チャイナ」
センス・オブ・シャンパーニュ
“美”、“洗練”そして“頽廃”をテーマとした、アートとシャンパーニュのマリアージュの世界
藤田礼子
広告代理店取締役 / エグゼクティブ・プロデューサー / アート・エヴァンジェリスト。「シャンパーニュとは、人生の爛熟とカタストロフィを象徴する飲み物」が持論の快楽主義系シュワリスタ。
Vol.15
アヴァンギャルド・チャイナ
08.9.19 up
今、世界で最も元気なアートシーンといえる中国。現在、国立新美術館で開催中の『アヴァンギャルド・チャイナ - <中国当代美術> 二十年 -』では、中国に現代美術が登場した80年代を皮切りに約20年間の流れを辿りつつ、特筆すべき美術家たちに焦点を当てその代表作を展示している。その中から、90年以降の中国現代美術界で主流をなす“シニカル・リアリズム”の旗手といわれる方力鈞(ファン・リジュン)と張暁剛(ジャン・シャオガン)をご紹介しよう。方力鈞は、幼少期の文化大革命時代に徹底した思想教育を受け、改革開放政策による急激な西欧化の中で成人した世代の身の置き所のない成人の不安定な心象を、自身をモデルとしたスキンヘッドの男に投影して表現。張暁剛は、60年代から70年代に撮影された典型的な家族写真をモチーフに現代中国における個人と社会との関係を抑揚のない表現で描いているが、このシリーズに共通してみられる細く赤い糸の存在が、不条理な世を憂いつつも決して切れない絆への憧れを象徴しているように感じられる。尚、張暁剛の作品は、2007年に行われたNYサザビーズのオークションで2億円以上で落札されたことでも話題を集めている。
SH
方力鈞 "シリーズ2 No.8"
1991-92年
油彩・カンヴァス
沖縄県立博物館・美術館蔵
張暁剛 "若い娘としての母と画家"
1993年
油彩・カンヴァス
福岡アジア美術館蔵
アヴァンギャルド・チャイナ - <中国当代美術> 二十年 -
国立新美術館 企画展示室2E《10月20日(月)迄》
http://www.nact.jp/

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