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POMMERY SPECIAL ISSUE 01 Champagne x Sommelier 知られざるプロフェッショナルな世界 泡を彩る幸せ、そして使命 シャンパーニュとソムリエの関係

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2人のソムリエが語る コンテストのこと コンテスト「後」のこと

では、実際に『キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト』で優勝し、現在活躍されているソムリエにコンテストの思い出、そして現在を語っていただこう。前年コンテストで優勝した田辺公一さん、そして大先輩であり、コンテストの前身であるスカラシップの第6回受賞者である情野博之さんの対談を通じて、コンテストの意義を探っていく。

コンテストに優勝した瞬間 そのときからソムリエとしての覚悟が決まる

情野博之(せいの ひろゆき)

トゥール・ダルジャン、アピシウスなど日本屈指のフレンチレストランのシェフ・ソムリエを歴任。後輩ソムリエ達の育成にも尽力されている。当コンテストの前身であるスカラシップでは97年3位、98年優勝。

情野: コンテストから10年。もう随分昔で(笑)
(受賞時の写真を見せていただき、田辺さん、スタッフ一同「若い!!」と。これに苦笑しながら)まあ、懐かしいなあという想いだけれども、田辺君は受賞したばかり。気分はどうですか?
田辺: まだ興奮から醒めていない、という状態です(笑)。優勝賞品であるフランス研修旅行も6月に行ってきたばかりですし。
情野: 研修も懐かしい。タダでフランスに行ける、一流のレストランで働ける。ということでがんばりましたね。1週間ずつフランス各地の名店で働かせてもらったけれど、ポメリーから送り込まれたということで、どの店でも「実はあの子すごいんじゃないの」なんて眼で見られて(笑)。その分いきなり昼の時間帯を1人で任されたり。大変でしたけれど、おかげで度胸もついたし、なによりもいろいろな人に出会えたこと。店だけではなく旅の途中で会った人との交流も自分を広げてくれた。
田辺: 情野さんの時代から比べると僕の研修は比較的自由度が高かったかもしれません。最初にポメリー社で研修を受けるのは一緒でしたが、それ以降は働くのがうれしいおまけ、という感じで、フランス国内をいろいろ回らせていただきました。こんな良い経験はなかなかありません。
情野: 今でも、高い渡航費用を出してくれたことに感謝ですよ。今はその恩返しをしている状態。規定に「将来にわたって、職務を全うし…」とあるけれど、全くその通りで、これだけの経験をさせてもらったんだからソムリエとして一生頑張らなければと強く思います。なにより、僕が受賞しなければ他の志の高いソムリエが受賞して研修に行けたかもしれない。その人たちの分も僕らは、ずーっとバッヂをつけてエプロンをしてお客様の前に立たなければいけない。
田辺: 私もそう思っています。まだまだこれからですが…
情野: まあ、自分は現場が好きということもあるんだけど(笑)。コンテストが終わって、よかった。それだけじゃない。応援してくれた人、一緒にコンテストを受けた人の分までがんばらないとね。
田辺: 優勝するまではソムリエとしての自分を漠然と考えていたところもあったのですが…。情野さんのお話を聞けて良かった。僕の目標である「こうなりたい」と思っている見本が情野さん。自分が進むべき道、優勝者としての覚悟も今確認できました。
情野: えーっと、褒めすぎ(笑)。優勝者としての自覚と自信とでもいうのか…。僕は冷や汗とかかかなくなった。どんなビッグクライアントの前でも落ち着いて振る舞える。
田辺: なるほど。私は優勝者としてはまだまだ足りないところもあるけれど、だからといって自信のないサービスをしてはいけないと思っています。その自信の裏付けにこの優勝の経験がなっています。まあ、お店が広いので運動量が多く、汗はよくかいてしまいますが(笑)

田辺公一(たなべ こういち)

神戸北野ホテルを経て、2007年3月からザ・リッツ・カールトン東京 レストラン45ソムリエ。テイスティング能力とホスピタリティを高く評価される期待の若手ソムリエ。当コンテストにて07年優勝。

勝ち抜くために必要なのは得意技と精神力 そしてあきらめずに挑戦する心

情野: 田辺君は2度目の挑戦で優勝したんですね。
田辺: はい。実は以前、別の若手コンクールを受けまして。その時は関西だったのですが競争率が低いのでなんとかなったのですが、その自信を木端微塵にされました。1問ぐらいしか分からなくて、頭も真っ白。その中でなんとか西枠で2人選ばれた中には入れたのですが、他のファイナルの人たちとの差は歴然。最初は不完全燃焼の挑戦でした。
情野: 自分も本当に難しいコンテストだと思った。当時は論文があって、これが苦手で…。夏になると宿題のように論文に取り組んで…。筆記問題にしても今はインターネットで調べられるけれど当時は1問につき1冊の文献がいるような感じ。おかげで随分いい本は手に入れられたけれど。今は本当に実力のある人しか残れないように思います。
田辺: 試行錯誤ですね。知識だけでもダメ、テイスティングだけでもダメ…
情野: 田辺君はテイスティングとサービスが持ち味だからそこまで持ち込めれば安心だったのでは?
田辺: いえいえ、実技は精神力が試されるので…。そういう意味ではもう勉強してどうにかなるものでもないので、直前は、漫画の『バガボンド』を1巻から27巻まで読みふけりました。勝負にかける気持ちを高めるということで(笑)
情野: これは参考になるのかな?(笑)いずれにしても一度ダメでも来年、再来年と挑戦を続けてほしいと思います。いいサービススタッフになるためには後ろ向きではいけない。そうした気持ちをコンテストに挑戦することで高められるし、なによりも挑戦した時間を無駄にしないためにも続けてほしい。
田辺: おっしゃるとおりです。確かにコンテストは競技的なものではありますけれど、現場とつながっていると思うのです。確かに一度ダメだとモチベーションを維持するのは大変かと思いますが、必ずプラスになるはずです。
情野: 最終的に私たちはサービスマン。お客様に喜んでもらうことがすべて。サービスでも日々壁にぶつかる毎日でしょう。コンテスト、研修も一緒。お客様を喜ばせるんだ、という目標に向かっていくためにもぜひ経験し、挑戦してほしいと思います。

ソムリエが語るシャンパーニュ・トーク by 情野

研修で最初に訪れるのはポメリー本社。そこでポメリーとシャンパーニュについて学びました。その後私の時はポメリーのカーヴを見学する人たちのためにサーヴする仕事を1週間。見学に途中まで付いていって、その後、テイスティング部屋でサーヴの準備をする。そのためにカーヴの裏道を覚えたんです。ポメリーの人も知らないような。度胸がいいのかカンがいいのか(笑)。

その後ランスでも研修がありましたね。個人的にもシャンパーニュはとても好きで。ちょっとだけ飲もうかと思っていてもいつしか1本あいているという(笑)。昔、お寿司を5種並べてシャンパーニュとの相性を見つけるというのをしたのですが…赤貝とこれは、まぐろとこれは、とやっているうちにどんどん飲んでしまって(苦笑)。

お客様にお薦めする上では、雰囲気やストーリーをお話しさせていただきます。ワインですと細かい品種の話などで喜ばれる方もいますが、シャンパーニュは情緒的といいますか。自分もそういう話が好きですし、シャンパーニュをお薦めするときは楽しいですね。

第7回「キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト」概要

世界に通用するソムリエ、日本におけるシャンパーニュのスペシャリストの育成をめざして実施される由緒あるソムリエコンテストです。

開催日程

第一次選考会:2008年11月4日(火)筆記試験・テイスティング
最終選考会:2008年11月25日(火)筆記試験・テイスティング・サービス実技試験

開催場所

応募用紙(下記リンク先)に明記

参加申し込み締切

2008年10月20日(月) 応募用紙はこちら(PDF)

お知らせ

11月25日(火)の最終選考会を一般公開(有料)いたします。トップソムリエたちの妙技をぜひライブでご覧ください! 詳しくは下記、公式ホームページへ

シュワリスタ読者限定特典 特別ご観覧チケット 無料プレゼント

最終選考会への特別ご観覧チケットを抽選で5名様に無料プレゼントいたします。

ご希望の方は、名前、住所、メールアドレス、そして今回の「POMMERY SPECIAL ISSUE」の記事へのご感想を添えて、下記、応募専用窓口までご連絡ください。(締切は10月末まで)

応募受付は終了しました

キュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト 公式サイト

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