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07.1.29 up
shwaReview 2007 vol.1
シュワレビュー2007 Vol.1 初春の5本 年初のレビューは個性派セレクトで
編集部がセレクトした初春に飲みたいシャンパーニュ5本。今年、こんな感じのも面白いんじゃない? という軽い気持ちのセレクト。でも飲み比べてみるとなかなか奥が深いようで…。
今回のレビュアーは連載陣から1人と会員&ライトシュワリスタ代表のお2人。ウンチクではなく気軽なトークで盛り上がってます!
連載陣代表レビュアー会員代表レビュアー
藤田礼子
『センス・オブ・シャンパーニュ』担当のアート・エヴァンジェリスト。「シャンパーニュとは、人生の爛熟とカタストロフィを象徴する飲み物」が持論。
綱谷正司さん
「お祝い事や華やかな夜にはシャンパーニュは欠かせないけれど、詳しくはないんです」というライトシュワリスタ。お仕事は建築関連。
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佐藤麻衣子さん
「お酒は弱いので普段はグラス一杯でもいい気分」という佐藤さん。イヴェント関係の設計などを手がけている。
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今回はRMを中心に、2007年に注目すると楽しそうな5本をセレクトしてみた。というのが表テーマ。裏テーマは「もっと自由にシャンパーニュを語りたいよね!」。このシュワレビューという企画は元々、プロがプロ目線、プロ用語でレビューするものではない(今後ご登場いただく可能性もあるが)。映画は映画評論家だけが語るものではない。ライヴ評も同様だ。ただ好きで飲んでいる。そういう立場からの自由な語らいが、実は面白い側面を捉えているということは少なくない。会員の皆さんの楽しい感想。それこそがこのシュワレビューの意義。

今回は、男に例えたら? 女に例えたら? 雑誌に例えたら? そんな楽しい2時間のテイスティングとなった。普段はあまりお酒に強くないという会員代表のお2人だったが、楽しい会話の中…結構いい調子で空いちゃってますよ!
Review 01第一印象の若々しさから一転落ち着いた表情の1人飲みに
コート・ド・ブラン地区のグラン・クリュ、オジェ村のシャルドネ100%。わずか6.5haから収獲されるブドウは減農薬農法にて管理。多くのヴィンテージシャンパーニュをストックしていることでも知られる。
参考実売価格 6,300円
※ 参考価格はシュワリスタ・ラウンジが店頭で購入した価格(06年11月 / 以下同)
BONNET-GILMERT Brut Cuvee de Reserve Blanc de Blancs ボネ・ジルマール キュヴェ・レゼルブ・ブラン・ド・ブラン
藤田: 泡立ちからはとても若々しさを感じるわ。うん? でも飲んでみると随分落ち着いた印象ね。暴れ馬かと思っていたら意外と…。

綱谷:   確かに。僕はもう少しシュワシュワっとした喉ごしがほしいですね。ビール好きの意見かな、これ(笑)。

佐藤:   2本目と比べないとわからないんですけれども、少し甘い感じがするような。

綱谷:   僕は白ワインの酸っぱさを感じる。

藤田:   あ、そうですね。白ワインっぽいかも。私はシャンパーニュって、ひとつには「楽しい!」を広げて華やかにしてくれるものだと位置づけているんだけど、こういうのを、1人で家で、音楽を聴きながらっていうのも悪くない気がする。

佐藤:   私はとても美味しいと思います。そうそう、礼子さんは、シャンパーニュを男性に例えるのが得意だとお聞きしたんですけど(笑)、これはどういう男性ですか?

藤田:   落ち着いちゃった50歳(笑)。しつこくなくて意外と爽やかな。ま、個人的には暴れ馬のほうが好みなんだけど。

綱谷:
佐藤:
  (大笑)


藤田:   じゃ、佐藤さん。これを女性に例えたら?

佐藤:   合コン受けしそうな女の子でしょうか。こういうおっとりした女の子が最初にいいところを…。

藤田:   あるかもー(笑)。
綺麗なのは見た目だけじゃない 可憐で美しいお味にグラスが進むReview 02
ROSES DE JEANNE Blanc de Noir ローズ・ド・ジャンヌ ブラン・ド・ノワール
綱谷: ああーこれはとても爽やかだ。飲みやすい! 美味しいなあ。

藤田:   ブラン・ド・ノワールだけれど、とても爽やかね。
ラベルも綺麗目で、全体的に素敵なセンスを感じる。切れ味もいいし…これはかわいいヤングボーイ?(笑)

佐藤:   1本目のボネ・ジルマールよりスッキリしていますね。飲んだ瞬間のふわーっとした感じもいいですね。私は若い女性の印象です。綺麗売りな感じの(笑)。こちらも合コンに出てこられると困るなあ。

藤田: うん、愛読誌は『NIKITA』じゃあないわ。『CanCam』とか?

佐藤:   えーと『CLASSY』ですかね。

藤田:   あ、少し大人だ(微笑)。色はやや薄めだけれど、単純な金色ではなくジュエリーで言うところのピンクゴールド。確かに上品な感じね。
シャンパーニュの南端、オーブ県の生産者。RMの中で最小規模生産者。初ヴィンテージは2000年。2005年には、フランスのワイン誌のコンテストでNO. 1を受賞。0.9haの畑からわずか3,500本しか生産されない極めて希少なシャンパーニュ。伊勢丹のイヴェントで来日していた若き蔵元は…相当なイケメン(笑)
参考実売価格 8,715円
綱谷: それにしてもこれグイグイ飲めちゃいますよ。口の中でいい具合に後味が消えていく。花火みたいな。ふわーっといい驚きがあって、でもはかなく消えていくみたいな。うん、綺麗な女性がイメージできます。

藤田:   いい意味で癖がないから、あまり飲みなれていない女の子におススメできるわ。
Review 03エレガントな黒ビール? ちょっとワイルド、でも育ちは…
極上のピノ・ノワールを産み出すことで有名なブズィ村で、1930年に誕生。樽熟を最低4年おこなうなど、丹念な作業でシャンパーニュを送り出し続ける小さな家族経営の蔵元。
参考実売価格 5,355円
ALFRED TRITANT Cuvee Prestige アルフレッド・トリタン キュヴェ・プレスティージュ
佐藤: あ、ビールっぽいかも。強い。

綱谷:   ドン、スーって感じの、勢いと爽快感。黒ビールっぽくないですか?

藤田:   私はローストしたコーヒーみたいな香ばしさを感じるかな。飲んでみましょう。うわっ、確かに喉ごしが…暴れてる。黒ビールってわかるかも(笑)。だけどとってもエレガント。
綱谷:   さあ、恒例の男で言うと?(笑)

藤田:   ワイルド! だけど白い歯キラリンみたいな。坂口憲二だ。30代前半、これから脂が乗ってきますよーみたいな。

綱谷:   あー完璧にそれだ(笑)。

藤田:   雑誌だと…『LEON』じゃないのよね。もうちょっと若くてまだ暴れてない。ワイルドな雰囲気まで。

佐藤: あまり飲めない私でも、これぐらいの癖ならあっても大丈夫かな。

藤田:   女性誌でいうとどんな感じかなあ。2本目のローズ・ド・ジャンヌが『CLASSY』だと…『Oggi』ぐらいの野心が見える?

佐藤:   なんだかもうちょっと個性的で、年齢も上かもしれないですね。『In Red』とか。

綱谷:   (笑)あ、でもだんだん丸くなってきましたね。

藤田:   このあたりの変化が暴れまわってばかりじゃなくて、ちょっと育ちのよさが見えるところかも。
Next Review4 「しっかり飲み応えのあるブラン・ド・ブラン」
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