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POMMERY SPECIAL ISSUE 03 The Legend starts here 今年の優勝は誰の手に!? ついに誕生! 伝説の担い手 緊張と興奮に包まれた最終決戦速報

08.12.5 up

日本のソムリエの世界において、数々の伝説と、その担い手を生み続けてきたキュヴェ・ルイーズ・ポメリー ソムリエ コンテスト、ついに第7回大会の優勝者が決定した。優勝者にとって、これまではファイナルの栄冠を目指す戦い。そしてこの瞬間から、ソムリエの世界に名を残し、心に響くサービスを提供するという終わりなき戦いが始まる。

text: 岩瀬大二 photo: NORICO
取材協力: メルシャン株式会社 / ポメリー社

高い技術と心を和らげる微笑みのサービス 第7回大会優勝者は…小嶋 隆さんに決定!!

新たな伝説の担い手として選ばれたのは、関西からエントリーした小嶋隆さん!

1次選考を突破した16名は、決勝当日の午前中に行われた準決勝(ブラインド・テイスティング、筆記試験、口頭試問、実技試験など)によりわずか3名に絞られたが、小嶋さんはこの狭き門を見事に突破し、200人以上の観客が待ち受けるファイナルの公開審査に進出。

ファイナルでは3人中3番手で登場。ブラインド・テイスティングでは正解をズバリとは導き出せない場面もあったが、後半の実際のレストランを見立てての実技審査では見事なパフォーマンスを見せた。お客様役の方々のテーブルを小気味よく動く姿はさすが一線級のソムリエの風格。最初のピッコロボトルを開ける際に、どうしてもあかないというトラブルに見舞われたが、見事に笑顔と話術で切り抜け観客、審査員を一気に自分の世界へ誘った。その後は、見事なデカンタージュやジェロボアム・ボトルさばきで、素晴らしいサービスを展開していった。まさに「この人のサービスを受けたい」と感じさせる、知識だけではない、お客様に幸せをもたらす仕事としてのソムリエの姿を見せていただいた。

なお、優勝した小嶋さんには、主催者より、プレステージ・シャンパーニュでは、唯一ポメリーだけが造っているというキュヴェ・ルイーズの9Lサイズと、ポメリー社特製シャンパン・ストッパー、そしてメゾン・ポメリーと星付きレストランでの研修などが行われるフランス研修旅行の目録が贈られた。

ファイナリスト コメント - Cuveé Louise Pommery Sommelier Contest

優勝 小嶋隆さん ホテルニューオータニ大阪 フランス料理サクラ

いやあ、めちゃくちゃうれしいです。大阪のお客様のいい意味でのせわしなさの中で鍛えられました(笑)。10年前にソムリエになったときにお客様に言われた言葉を思い出します。「ワインを売るのではなくニューオータニを売りなさい。そんなお前ならワイン選びの時に頼らせてもらうよ…。」やっとお応えできたかなと思います。

準優勝 船戸佳代子さん (株)サンティール 田崎真也ワインサロン

3位 山村篤志さん ザ・プリンスパークタワー東京

ファイナルに残ること自体が久々でしたので、最初は自分で何をやっているのか覚えていないんです。これからも日々の業務をお客様目線でできるような「優しいソムリエ」を目指していきます。

今日は、どれといえないぐらい、とにかく失敗がたくさんあって…。まだまだこれから、勉強、努力をしていかなければいけないと思います。

まさに緊張の極致 ファイナル公開試験レポート

帝国ホテルの桜の間で行われた決勝戦。ステージ上にはレストランを模したセッティング。外国人と日本人のカップル、そして記念にシャンパーニュを開けようとする8人のテーブル。その手前にはブラインド・テイスティング台。1番手に登場した船戸さんは、過去にファイナルに出場した経験を持つ。しかし、緊張は明らかで、早口、腕にこもる力が伝わってくる。腕に自信のある気鋭のソムリエ達を追い込む極度の緊張が、観客にも伝わる。公開試験は一人ずつ、約45分行われた。審査内容は同じだが、まだ試技を終えていない選手はもちろんその様子を見ることができない。

まずはブラインド・テイスティングから始まる。10分の持ち時間の間に白ワイン1点、赤ワイン2点を解説。ここでは船戸さんが赤ワイン2種の産地を見事に的中させ、小嶋さんは2人が苦心した2番目の赤ワインのブドウ品種を突き止める。続いて、10種類のリキュール・スピリッツなどを3分間の間に矢継ぎ早にタイプを当てていく審査。芋焼酎やマイヤーズ・ラム、青りんごのリキュールに、長野産のマールなど、ワインだけでなく、ソムリエとして幅広いお酒の知識が試される。

そしてすぐに実技試験へ。カップルには英語もしくはフランス語の対応が求められ、ポメリーのピッコロサイズを1人1本ずつサービスする。続いて8名テーブルにジェロボアム(3L)。重く開けにくいこのボトルをそれぞれのスタイルでサーヴしていく。最後は再びカップルに、今度は赤ワイン のデカンタージュのサービス。この間、ひとつひとつの技術をチェックされるのと同時に、いかにお客様に美しく、そしてたおやかなサービスができるのかも審査対象となる。「ホスピタリティーのある」サービスができるかどうか、最終的には勝負はそこにかかっていたようだ。

社団法人日本ソムリエ協会 副会長 

審査員 田崎真也氏 コメント

今回の審査基準は、国際ソムリエ協会の審査基準に準じたソムリエ・コンクールにほぼ準じた内容でした。ここ最近ではテクニックとサービス・マインドを重視しています。お客様目線で、この人にサービスしてもらいたいか? また経営者目線で、この人を雇いたいのか? ということです。さて、せっかくポメリー社、メルシャン社には毎年このコンクールを開催していただいています。ぜひみなさん次のチャンスに挑戦してください。

ティエリー・ガスコー氏 メッセージ

残念ながら優勝者は一人だけです。しかし、私は、クーベルタン男爵の言葉を借りて参加された方に申し上げたい。そう、参加することにこそ意義があるのです。数あるシャンパン・ハウスの中でソムリエ・コンクールを開催しているのはポメリー社だけです。来年第8回でもみなさまの挑戦をお待ちしています。そしてご覧になられている皆様もぜひ、ソムリエ達に応援と期待をお寄せください。

ポメリー社最高醸造責任者
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