Home > 特集 > 「invitation from MUMM/晩夏と初秋にマムの新作」

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マム ブラン・ド・ブラン〜マム ド クラマン〜 シンプルという最高の到達点を目指して

メゾンの歴史を
刻み続けるための新装

今回はメゾン誕生130周年を記念してのネーミング変更、そしてパッケージも赤リボンを纏ったエチケットに変更されました。従来からある「マム ド クラマン」と中身については変更がないようですね?
「はい、シャンパーニュ自体は変わりません。ひとつにはシンプルなメッセージにしたいという想いがりありました。というのも、海外のみならずフランス国内でも、クラマンという地名と、クレモンという発泡性ワインを表す言葉が混同されていたという状況があったのです。しかも、最初、このシャンパーニュは、『クレモン・ド・クラマン』と呼ばれていましたのでさらに混乱させてしまっていたようです(苦笑)。フランスでも各国でもブラン・ド・ブランという名前の方が、白ブドウだけで作ったものだとご理解いただけて親しんでいただけるのではないでしょうか。
しかし、私にとっては、このクラマンという名前はとても重要。G.H.マムが、1882年、最初に白ブドウの畑を買ったのがここクラマン、そして最初のグラン・クリュの白ブドウを買ったのもこの地です。メゾンの歴史がここにあります。また、ブドウ栽培家の方々との強い絆もあります。彼らにとってもメゾンのキュヴェに自分のぶどうが使われているというプライドやエモーションがある。ですから、クラマンという名前を全て消すのではなく、その名前はエチケットにしっかり刻んでいます」

シンプルのためのバラエティ
そしてドゥミ・ムースという選択

クラマンのシャルドネ100%。どのような方法で個性を追及しているのでしょうか?
「アッサンブラージュの哲学として、複数の小さなタンクで醸造しています。まず、それぞれのタンクの個性の違いを出していく。ブラン・ド・ブランに関しては、タンクは絵の具のパレット。最終的に良いものを造るために、いろいろな絵の具が欲しい。
また、アロマがいろいろな方向に拡散してしまうことを避けるために、熟成期間は短めにしています。口にすると、個性がシンプルにストレート、かつダイレクトに感じられると思います。
ただし、シャルドネのフレッシュさだけを強調するとアグレッシブになりすぎます。そこでこのシャンパーニュのメソッドとしては、ドゥミ・ムースという圧を抑える方法をとっています。普通のシャンパーニュは6気圧ですがこれを4.5気圧に抑えています。口に含んだときにまず、クリーミーさが感じられるでしょう。一般的にブラン・ド・ブランは、長く熟成させることで酸味を柔らかくする方法をとりますが、マムでは、フレッシュさはキープしつつ違ったディメンション(次元)を実現しています。
その中でクラマンのテロワールを出していきたいと考えています。クレモンは、「チョーク=石灰質の山」という意味で、石灰質が土の中に浅いレベルで存在しているので、ブドウが根を張るとすぐに石灰に到達します。その個性を感じられるかと思います。
そして、最終的にはシンプルなものであること。シンプルな面を出すことこそ私にとっては一番難しいこと。シンプルというのは決して不完全な状態ということではありませんから。その中でフレッシュさ、ダイレクトさがありつつボリューム感とバランスを実現しています」

シンプルなライフスタイルの中に
ブラン・ド・ブランの豊かで幸せな時間

マム ブラン・ド・ブランがある風景。どのような楽しい場面が浮かびますか?
「これは実際にフランスでされている方がいるのですが、週末マルシェで食料品などの買い物をして、その途中でも後でも良いのですが、バーやビストロに立ち止まって飲む。昼夜関係なく、時間に関係なく飲めるシャンパーニュなんですね。
食事と合わせる時に一番注意しなければいけないのは、あまりコンプレックスなものと合わせると、良さが潰されてしまう。塩味を感じる海の産物、例えばカキのヨードとミネラルのテイストはよくあいます。日本料理はとても洗練されていてシンプルなのでとてもあうと思います。そう、天ぷらとコルドンルージュは試してみてとても良かったんですよ。
日本の夏の暑さにもとても合うと思います。9月まだ残暑も厳しいでしょう。その中できっと楽しんでいただけると思います」

素直に、素直に G.H.MUMM Blanc de Blancs 〜Mumm de Cramant〜 マム ド クラマン グラン・クリュ

クラマンのシャルドネ。その魅力は、複雑さではなくフレッシュ感。それがマリオッティ氏の答え。
口に含んだ瞬間、爽やかでまっすぐなクラマンのシャルドネが広がる。まっすぐでも繊細に広がる秘密は、通常よりも柔らかいガス圧。レモンなどの柑橘類から白い花への変化は素直に訪れるが、その後に感じる骨格の強さが、MUMM×グラン・クリュ畑の奥深さか。
フルートよりも大ぶりのグラスが似合う。

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