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スリー・シャンパーニュ・スターズ 07
山下賢一 @恵比寿の達人
Champagne Cafe『アルベンテ』店長。
シャンパーニュを知り尽くした山下氏の存在は、落ち着いた大人の雰囲気の店内にカジュアルな雰囲気を醸し出す。山下氏のキャラクターと尾心地の良さで女性に人気があるのもうなずける。
コンビネーションが決め手 チーズとのマリアージュ
08.8.15 up
チーズとシャンパーニュ。定番ともいえるこのマリアージュですが、シュワリスタならばやっぱりこだわりたいところ。甘口シャンパーニュに辛口チーズ。時にはチーズをハチミツにディップしてみるのもいいかも。シャンパーニュをさらに楽しむ、自分なりのマリアージュの探求がおもしろそう。
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こだわりのマリアージュでさらに楽しく

組み合わせや相性がものをいうマリアージュ。とりわけチーズとのマリアージュはシャンパーニュの楽しみを大いに盛り上げてくれます。だからこそ自分なりのマリアージュを探求したい。シュワリスタならそんなこだわりを持っていたいですね。

でもチーズとひと言に言っても味も種類も様々。どんなシャンパーニュにどんなチーズが合うのか迷ってしまうのではないでしょうか。

そこで、ディープシュワリスタも納得の3つのマリアージュをご紹介。味覚のコンビネーションを存分に楽しんでみてください。

酸味系シャンパーニュには同じ地方のチーズが合う

[シャンパーニュ] ラルマンディエ ベルニエ BB ペリエ・ジュエ ベルエポック '99 × [チーズ] シャウルス ラングル サント・モール・ド・トゥレーヌ

ブラン・ド・ブランや酸味のあるシャンパーニュにはやはりシャウルス、ラングルなど、その土地で造られたチーズがぴったりでしょう。料理も同じですが、その土地で造られたチーズにはやはりその土地の特徴を活かしたワインが合うんですね。

シェーブルチーズやヨーグルトのような酸味のきいたチーズにも合います。お好みでベリー系の“ブラックカラントのジャム”をつけて甘みを加えるのもおもしろいでしょう。

[チーズについての詳細]
シャウルス(Chaource)(中央)フランス産 / 白カビタイプ / 原材料 牛乳 ブルゴーニュの修道士によって造られたチーズ。白カビに包まれた外皮は薄く、中身は濃厚でフルーツの香りの入り混じった芳香がある。シャブリやシャンパーニュに近い所で作られている。
ラングル(Langres)(右)フランス産 / ウォッシュタイプ / 原材料 牛乳シャンパーニュ地方の代表的チーズ。表皮は明るい煉瓦色、中身はしなやかでとろけるよう。
サント・モール・ド・トゥレーヌ(Sainte-Maure de Touraine)(左)中央にBuche(まき)を1本通し、表面に木炭の粉をまぶしている。中は真っ白でしっとりとし ていて、ヨーグルトのような酸味。熟成が進むと、複雑で濃厚になる。

ロゼ シャンパーニュにはほどよい甘みのチーズを

[シャンパーニュ] シャルリエ・エ・フィス プレス ティージュ ロゼ × [チーズ] ケソ・デ・ムルシア・ アル・ヴィノ カマンベール アフィーネ カルヴァドス

シャルリェのような濃厚なロゼやフレッシュ感のあるロゼに共通して言えるのが、赤ワインにあるような熟成感とロゼ特有のベリー系のアフターです。カマンベールカルヴァドスなど食後酒に合うようなねっとりとした甘みのあるチーズと合わせるとおもしろい。

ケソ・デ・ムルシアは赤ワインで洗ってあるので、ロゼのアフターにもよく合います。そこに“シャンパン コンフィ”を合わせてみると、コンフィのほどよい甘みがチーズとシャンパーニュをちょうどよくつないでくれます。

[チーズについての詳細]
ケソ・デ・ムルシア・アル・ヴィノ(左) スペイン産 / セミハードタイプ / 原材料 山羊牛乳 最後に赤ワインで洗って仕上げる。もっちりとしていてさっぱりとした甘み。
カマンベール アフィーネ カルヴァドス(右) フランス産 / 白カビタイプ / 原材料 牛乳 カルヴァドスでウォッシュしてパン粉をまぶしている。甘い香り、ねっとりとした舌触り。

甘口のシャンパーニュにはやはり辛口のチーズを

[シャンパーニュ] ポール・ロジェ リッチ ジャック・セロス エクスキューズ × [チーズ] ブリ・ド・モー ゴルゴンゾーラピカンテ

ドゥやドゥミ・セックなどドサージュの多い甘口シャンパーニュには、辛口のゴルゴンゾーラ ピカンテなどの青カビチーズに栗のハチミツがよく合います。青カビの風味が甘口シャンパーニュにはよく合うんです。甘みがぶつからず心地よいマリアージュになりますよ。

ブリ・ド・モーは「チーズの王」と言われるだけあって味も香りも風格満点です。ブリだけでも甘口シャンパーニュにはよく合いますが、ブリは早めに食べてしまいがちなので、しっかり熟成したものを選びたいですね。

sH

[チーズについての詳細]
ブリ・ド・モー(Brie de Meaux)(右) フランス産 / 白カビタイプ / 原材料 牛乳 熟成すると中身がとろけて味わいに気品がある。クリーミーでハチミツのような風味。「チーズの王」に選ばれる。
ゴルゴンゾーラ ピカンテ(Gorgonzola)(左) イタリア産 / 青カビタイプ / 原材料 牛乳
このチーズにはドルチェ(甘口)とピカンテ(辛口)がある。風味の強い古典的なゴルゴンゾーラ。

恵比寿の達人からシュワリスタへ一言

チーズにもシャンパーニュ、ワインと一緒でAOCという原産地の制度があります。まずチーズの初心者の方は国や地域が同じチーズを合わせるとわかりやすいと思います。
チーズとシャンパーニュにルールはありません。自分自身で色々試してみて独自のマリアージュを探してみてください。

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