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シュワリスタが選ぶ シュワリスタ・アワード2009 09年のシーンを飾った珠玉のシャンパーニュたち

シュワリスタ・アワード2009 受賞シャンパーニュ

2009年も様々なシャンパーニュが、私たちの幸せを彩ってくれました。その日々を思い浮かべながら泡たちに感謝をこめて、09らしい話題をさらった5本の09ベストシャンパーニュ5本を表彰します。

1本1本に愛をこめて… 波乱の時代に、美しい光を称えて微笑む MICHEL GONET Cuvée Prestige Blanc de Blancs Grand Cru Millesime 1998 ミシェル・ゴネ キュヴェ・プレスティージュ ブラン・ド・ブラン グランクリュ ミレジメ 1998

ミシェル・ゴネには通常のボトルもありますが、09年にシュワリスタ・ラウンジが注目したのはこのペインティング・ボトルヴァージョン。当主の娘であり醸造家であるソフィさんによる手書きで、1本1本丁寧に描かれた美しい花々。つまり、あなたが手にする1本は、世界中でたった1本だけのもの。09年、さらなる高級志向と低価格化のカオスの中で、この「私だけの大事なもの」の価値は、新しいシャンパーニュとの関係を提示してくれました。もちろん、それも美味あってこそ。カオスな世相にあって、コート・デ・ブラン、アヴィズの特級畑から生まれた、静かに体と心に沁みわたる世界が、丁寧で心のこもったペインティグ・ボトルによく似合います。

美麗
ロゼ

09年を華やかに彩った薔薇色は 単なるブームではなくスタイルとして定着へ BILLECART-SALMON Brut Rosé ビルカール・サルモン ブリュット・ロゼ

ロゼは時代とともにその存在感を増してきました。ただ少し前までは、品質について語られる前に、マーケット的な視点や、おしゃれな楽しみ方などで話題になっていた面は否めません。しかし、表面的な議論は一巡して、ようやくロゼの楽しみ方、ロゼの価値が09年になって確立。これには各グランメゾンのプレスティージュ・キュヴェのロゼが確固たる信念を持ってリリースを続けてきた歴史を経て、昨年よりボランジェ・ロゼ、ドゥーツ・ロゼなど、話題とともに高い品質をもったNVロゼが登場したことが決定打となりました。その中でも09年を象徴するロゼとしてビルカール・サルモンを選んだ理由は、ライト〜ディープ・シュワリスタまで、誰もがどんな場面でも楽しめるレンジの広い、安定感と安心感。エチケットロゴのデザインも親しまれる要因です。

遠い時代の辛口泡の革命。今、目の前で感じられる喜びを共に AYALA Cuvée Perle d'Ayala Nature 2002 アヤラ キュヴェ・ペルル・ダヤラ ナチュール 2002

シュワリスタ・ラウンジ5月特集で、今後、注目すべき状況としてブリュット・ナチュール(ノン・ドサージュ)について紹介しました。これまでもエクストラ・ブリュットなど、ブリュットよりも辛口のシャンパーニュはリリースされていましたが、これもロゼと同様、本質とは違う議論、健康志向、ローカロリー、ドライなということで紹介されている状況でした。しかし、シュワリスタ・ラウンジではブドウ本来の味、凝縮感から生まれる新たな世界と主張し、現地取材においてもノン・ドサージュの造り手からその信念と苦難と喜びを感じてきました。その中で、名門アヤラは、エヴァンジェリスト的存在。ついに、プレスティージュ・キュヴェにおいてもリリース。これは実に大きな出来事でした。ポメリーが生み出した辛口という革命。この09年、シャンパーニュがついに「素顔」という武器を確固たるものにした年として刻まれるかもしれません。

自然
垂涎

希少、だけではない価値。 ディープ・シュワリスタたちの静かな感動 VOUETTE et SORBEE Saignee de Sourbee Extra Brut Rosé NV ヴェット・エ・ソルベ セニエ・ド・ソルベ エクストラ・ブリュット ロゼ NV

アワード選定において、ディープ・シュワリスタたちが最も熱い視線を浴びせたシャンパーニュがこちら。実際、味については飲む方によっては賛否が分かれるところという意見も出ながらも「それでも自分はこれが好きなんだよね」と、口調は静かながらその価値については一切譲らない。ジャック・セロスの下で学んだ弟子の一人であり、10年以上前からビオディナミを実践、自分のスタイルを崩さない若き造り手、ベルトラン・ゴートロ。自分の名前を冠さずに2つの畑の名前をブランド名とするなど、一風変わった感性から生まれるオートクチュール・シャンパーニュ。ピノ・ノワール100%、セニエ法で生み出されるこの超希少ロゼ。こちらもノン・ドサージュ。そのプロフィールも、実際の味わいもディープ・シュワリスタを虜にするに十分な魅力なのでしょう。09年、最もマニアを喜ばせ、逆に一般にはほとんど知られてない極上シャンパーニュに、認定。

一目瞭然のインパクト 世界中で夜の話題は、極上艶コラボが独占? LE RITUEL PIPER HEIDSIECK Brut × CHRISTIAN LOUBOUTIN ル・リチュエル 〜 パイパー・エドシック×クリスチャン・ルブタン

ブリュット・ナチュールに注目し、シャンパーニュの精神性を伝え、マニアが昂ぶるオートクチュール・シャンパーニュを本気で紹介するのもシュワリスタ・ラウンジなら、やはり夜、艶、恋、魔法、そして…という方面を真剣に楽しんでしまうのもやっぱりシュワリスタ・ラウンジ。となればもうこのアイテムは問答無用。説明するまでもない強力な2大ブランドによるコラボレーションによって生まれた限定アイテム。弾けたパーティにも、2人の艶やかな時間にも、このアイテムがあるだけで風景が変わります。パリ、ニューヨーク、そしてトーキョー。シャンパーニュ・マジックを様々な都市で起こしたル・リチュエル。現実的には暗く重い09年の中で、確かに元気と色気を与えてくれたコラボレーション。話題賞とともに、殊勲賞を授与しましょう。

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