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スリー・シャンパーニュ・スターズ 03
07.1.31 up
美しさと楽しさと。お一人様カウンターのお作法
*003 岩田佐智子 @恵比寿の達人
『Shu! Salon』店長。ワインにも造詣が深く、ソムリエとしても活躍。店内の随所に見られる大胆且つシックなインテリアが特徴のサロン。そこで見せるエレガントなサーヴィス(と飲みっぷり?)に男女問わずファンが多い。
シャンパンバーのカウンター。男性ならば格好よく、女性ならば美しく。そこで絵になるような立ち振る舞いができることに、ちょっと憧れたりしませんか? とはいえ、肩肘張ってしまうとせっかくのシャンパーニュも、シャンパーニュがつくってくれる楽しい時間も台無し。そこで今回は、カウンターでの楽しい時間の過ごし方を六本木の達人・岩田さんにレクチャーいただきます。
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1人だけの時間も、出会いの時間もシャンパンバーなら気ままに楽しめる
「決まったルールなんてないんですよ。パソコン開いてお仕事されている人もいますし(笑)。手帳を開いて何かアイデア出しされていらっしゃる方、仕事帰りの早い時間に来られて、エステ代わりにシャンパンを飲んで元気になる! なんて使い方をされる女性もいらっしゃいますね。私としては、お一人でも気軽に、仕事と家のワンクッションとして好きなように使っていただければと思っています。気構える必要なんてないですよ」
カウンターでの1人飲み。これは特別なことではなく、むしろシャンパンバーなら1人のほうが楽しめることも多いというのが、岩田さんの想い。
「まず、お一人でもシャンパーニュなら間が持つんです。それは五感を刺激するから」他のお酒も味覚や嗅覚は当然のようにありますが、シャンパーニュは視覚、聴覚がとても楽しい。
「グラスを立ち昇っていく泡の軌跡を眺めているだけでも、その音を耳元で聞くだけでも時間を忘れられる。お一人の楽しみのひとつではないでしょうか」
そしてシャンパンバーに1人で来るからこその楽しみがもうひとつある、と岩田さんは言います。それは…
「カウンターにいると、人と人とのつながりの不思議さを感じることが多いです。たまたま知り合いの人が再会したりとか、面識がないのに自然に仲良くなってしまう方々とか。人が人を呼ぶというのでしょうか。また、このお店のカウンターの形状(2つのカーヴが特徴的)や、お店の大きさが丁度よいのか、お客様同士で勝手に一体感が生まれるんですよ(笑)。
シャンパーニュの良さって、シンプルな言い方になるんですけれども「楽しくなる」ってことだと思うんです。適度にエレガントですし、グチグチした話題にならない。だからお客様同士もとてもいい関係になるのでしょうね」
シャンパンバーが持つ特有の心地よい緊張感とエレガントさ。それがくだけすぎず、でも力を抜ける絶妙な時間を作ってくれるのでしょう。
ハーフボトルで気軽にフルボトルなら時間の経過を楽しめるものを
さて、ここからは実践。オーセンティックなバーなどは緊張感が漂うことも。例えば、マティーニのウンチクひとつでも持っていないと恥ずかしいのでは…。「何を飲まれます?」と聞かれたときにそれなりに格好のいいオーダーでもしなければならいのか…。でもシャンパンバーなら、困ったらまずは「何かグラスで飲めるものを」といえば、あとはお店の人がその中から好みを聞いてくるからとてもシンプル。さらにこんなアドヴァイス。
「お気に入りのものがあればハーフボトルでオーダーされるのはいかがでしょうか。ここでは全部で12〜13種類、常時4〜5種類ご用意しています。だいたい1ハーフボトルで4杯ですから、ゆっくり飲んで約1時間。こういう飲み方をされる方は慣れていらっしゃるな、と感じますね。それで『もしよろしければ1杯いかがですか?』とおっしゃっていただくと、個人的にはとても嬉しいです(笑)」

飲みっぷりも評判の岩田さんですが(笑)、お忙しい時間帯もあるので、また、お店によってもスタイルが違いますのであくまでも「よろしければ」というスタンスで。もっと飲みたい、ゆっくり過ごしたいというならフルボトルのオーダーも。その場合は1人ならではのチョイス。
「ボトルを開けてから、時間の経過とともにその変化が楽しめるような熟成したタイプをオーダーされると雰囲気がいいですね。ワインも同様だと思いますけれど。ただお一人でこってりとしたモノは飲み続けられませんので、例えばクリュッグなどは楽しめるシャンパーニュのひとつ」

シャンパーニュの変化をじっくり楽しみながら、1人でゆっくりと過ごす。程よい酔いに助けられて仕事の刺激にする。帰宅前の軽い1杯でスッと席を立つ。いつの間にか気の置けない友人ができる。シャンパンバーのカウンターには、素敵な時間が流れているようです。
sH
六本木の達人から シュワリスタへ一言
1人でカウンター。もし緊張されるなら、まずはお店のイヴェントを利用してはいかがでしょうか。
ヴィンテージの飲み比べ(同じブランドの違う年をグラスで飲み比べる)など、お店の雰囲気を知りつつシャンパーニュの知識も広がります。お好きな方ばかりの集まりですから、会話も自然と弾むと思いますよ。
こちら、岩田さんが1人飲みにおすすめするRM『ジャック・ラセーニュ アレクサンドル・エル(JACQUES LASSAIGNE ALEXANDRE L)』。
「畑の良さが出ている、とても素直なブラン・ド・ブランです。基本的にはスッキリしていて、でもイースト香(酵母 / 発酵菌)が時間の経過でどんどん出てくる。最後まで楽しく飲んでいただける1本としておススメします。私もこれをゆっくり1人で。パンやチーズの簡単なおつまみがとても良くあうんですよ」。
はじめはキリッとしたアタック、飲み進めるうちにふくよかな表情を感じる。エチケットとあわせてとてもオシャレなシャンパーニュ。
※『shu!』のリストにもありますが、在庫の関係で置いていない場合もありますのでお問い合わせください。
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