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新たなシャンパーニュの騎士として シュヴァリエ、その誇り 伝導するという栄誉と喜びを胸に Pride of Champagne

chevalier 騎士団トップに聞く シュヴァリエたちへの期待

シャンパーニュ騎士団のキーパーソンが考えるシュヴァリエの役割、存在意義、そして期待することとは?

12代目の現コマンドールでアイ村に本拠地を置くガティノワの当主、ピエール・シュヴァルさん、そして日本代表の総領事(各国の代表者)稲川広幸さんにお話をうかがった。

シャンパーニュ騎士団12代目コマンドール(団長)。ピノ・ノワールで有名なAy村の造り手として日本でも評価の高いガティノワの現当主でもある。

シャンパーニュ騎士団 団長 ピエール・シュヴァル・ガティノワ氏

日本とシャンパーニュは恋人関係。ますます良い関係を築きたい

騎士団の歴史や設立の経緯を教えてください。

G: 1656年にランスやエペルネ地方の有力者や生産者によって作られました。当時はシャンパーニュの情報共有や、その喜びを分かち合うための会だったようです。戦争などで活動が中断されていた時期があり1956年に復活しました。以降の主な活動は世界中にシャンパーニュ愛好家達のネットワークを作ること。ベルギー、ルクセンブルク、イギリス、イタリア、新しいところではシンガポール、日本など各国に総領事や大使を置き、現在では約6000人ほどの組織となりました。また、それぞれの年代や興味にあわせたシャンパーニュを紹介していく活動もおこなっています。

一般の愛好家でもメンバーになることは可能なのですか?

G: 一般の方でも愛好家であれば、深い知識が無くとも叙任は可能です。確かにショービジネスや王族の方も多いのですが、少なくとも一番大切なこと、シャンパーニュとスパークリングワインの違いをしっかり理解されている方々です。これは絶対です。そうした前提で、少なくとも2人の団員の推薦が必要で、推薦する方も推薦される方に対してシャンパーニュの事を教える必要があります。

叙任式以外に、今後の日本での活動は何か考えていますか?

G: 騎士団の目的は叙任式を開くことではありません。それ以後に、メンバー同士が連絡を取り合って食事会やパーティーを開いたりすることが望ましいと考えています。歴史の古い英国などでは団員が有機的に連絡をとりあいよい形で活動が行われています。日本では、総領事である稲川氏も今後の活動については色々考えているでしょう。そのほか、騎士団に所属している日本のメンバーがシャンパーニュの視察などでフランスを訪問した際にはお手伝いすることができるでしょう。

騎士団団長として、日本の市場はどのように見ていますか?

G: 比較的新しいマーケットですが、世界でも有数の輸出国。購買層は女性、しかも若くて美しい女性が多い(微笑)。これはシャンパーニュにとってとてもよいこと。実は日本はイタリアにとても似ています。ファッション性にシャンパーニュをうまく取り入れているのです。中国やロシアの市場が伸びて日本への輸入が心配ですか? それは大丈夫! 日本とシャンパーニュは恋人関係にあるのですから(笑)。

最後に団長から日本の泡好きに何か一言メッセージをお願いします。

G: 日本のように慣習が大変に大事にされている文化は、シャンパーニュの文化ととても共通のものがあります。そして、日本料理にシャンパーニュが大変良くあうことは何人もの美食家が証明しています。私自身もシャンパーニュがあるから日本を知りましたし、日本とシャンパーニュは完璧なマリアージュだと思っていますよ。

2006年に設立されたシャンパーニュ騎士団日本支部の初代総領事に就任。株式会社JALUX元代表取締役。現在同社特別顧問。

シャンパーニュ騎士団 日本代表総領事 稲川 広幸氏

今後は日本の叙任者との活動の場を増やしていきたい

日本でのシャンパーニュ騎士団の支部が設立された経緯とその活動内容について教えていただけますか?

I: 2006年に、ご縁があり騎士団の日本領事を引き受けました。引き受けたのは良いのですが、創設当初は名簿も無ければ、人も予算も何も無い(笑)。そんなところから始めなければなりませんでした。

現在、名簿などの整理がようやくできたので、これから本格的に活動を始めるというのが正直なところです。ちなみに日本には、私たちが把握しているシュヴァリエは約170名、オフィシエは十数名です。

日本では叙任式が2回行われましたが、第2回目である2007年度から、我々騎士団の日本支部が中心となり開催しました。それが日本支部のスタートだといえるでしょう。現在の活動は2年に一度ある叙任式の設営が中心となっていますが、本来騎士団の支部が日本にある一番のポイントは現騎士団のメンバー、またはこれから叙任を受けようとする方、全ての窓口を日本支部が担うことでしょう。

日本に支部ができたということは叙任が日本の決定で行えるということになるのでしょうか?

I: 騎士団の選考は全てランスの本部が行っています。日本支部は窓口です。しかし今後は日本で必要な書類などの手続きをして、最終決定のみをランスで行うような形にしたいと思っています。

そのようになった場合、日本では騎士団のメンバーに推薦する条件をどのように考えていらっしゃいますか?

I: 日本支部を運営していくなかで本部との考え方と若干のずれはありますが、原則としてシャンパーニュ騎士団のメンバー2人が推薦する。では2名の推薦があれば誰でも良いのか?ということではありません。今まで叙任された方も、プライドと知識を持って啓蒙活動を行っていらっしゃるわけですから、既に叙任された方たちと肩を並べられる程の方であるべきだというチェックは、我々騎士団事務局でおこないます。

今後、叙任式以外に日本支部の活動はどのように行われるのでしょうか?

I: 叙任式は2年に一度ですから、その間の年に日本のメンバーを中心とした、シャンパーニュあるいは日本文化とシャンパーニュのマリアージュというようなテーマの集いを開催したいと考えています。実は昨年の11月に京都での開催を考えていましたが、基本的な日本支部の足固めが出来ていない中で中途半端には出来ないということで延期をしました。

2009年は5月に叙任式が開催されるので、秋には日本支部主催で騎士団の集いを行いたいですね。大掛かりのものではなくても年に一度は会を行っていこうと考えています。またフランス本部のwebとの連携を保ちながら、日本の騎士団のwebページを立ち上げて、皆さんに情報の提供をすると同時に、双方向で情報を交換できる場を提供していきたいと考えています。

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