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INTERVIEW

SHレポート
『VRANKEN JAPAN』代表者インタビュー

SH エクスクルーシヴ インタビュー

01【VRANKEN JAPAN概要】
VRANKEN JAPANはフランスに本拠地を置くヴランケン・ポメリー・モノポールグループの日本法人として2007年6月に発足した新しい会社ですが、現在、フランスのシャンパーニュを取り扱う企業の中でも屈指の名門ブランド、「エドシック・モノポール」、 「ドゥモアゼル」、 「ディアマン」などを抱えています。今回は、VRANKEN JAPANの取り扱い商品の試飲会に参加。VRANKEN社の魅力について伺いました。インタビューをお受けいただいたVRANKEN JAPANの代表者師井氏はとても気さくで、今後のヴィジョンについても熱く語っていただきました。


02ヴランケン・ジャパンが発足してからもうすぐ3年になります。現在の主な事業をお聞かせください。

M:  主な事業としては自社ブランドのシャンパーニュの卸し業です。及びスティルワインの日本における拡販です。それはエドシック・モノポール、ヴランケン・ドゥモアゼル、ヴランケン・ディアマンの3種類のシャンパーニュとリステル社のワインやロゼス社のポートワインになります。フランス現地のグループで取り扱っているシャンパーニュのうち、日本ではポメリーはメルシャンが輸入していますし、シャルル・ラフィットはサッポロビールが輸入しております。それぞれの企業とブランドのポートフォリオの中でどのように扱っていくかなどの戦略は、情報交換しながら決定しています。


03他社とも連携を取りながら戦略を決めているのですね。それでは現在取り扱われているブランドについてですが、ドゥモアゼル、エドシック・モノポール、ディアマンの3ブランド位置づけや販売チャンネルの違いを簡単に教えていただけますか。

M:  私達の中で、最も販売本数の多いブランドはエドシック・モノポールです。このブランドは多種多様なチャンネルに挑戦できるブランドです。品質やコストパフォーマンスに優れているので、小売業界からも、料飲店からも良い評判を受けていますし、事実販売数量も増加しています。ブランドとしても非常に歴史がありますから、今後はこのプライス、ポジションとブランドイメージを併せ持つ戦略が効果的だと考えています。


ドゥモアゼルに関してはヴランケン社長が自ら作ったブランドですから、わずか30年程の歴史しか持っていません。しかし現在の消費のトレンドに沿っているブランドだと考えています。まずはボトルの形です。アールヌーヴォーの影響を受けてボトルデザインをしているので非常に美しい形状です。そしてなによりもドゥモアゼルは女性らしく、エレガントで洗練されているシャンパーニュであるということ。シャルドネを80%以上使用しているこのシャンパーニュは、現在のシャンパーニュの楽しみ方にフィットしていると思います。ドゥモアゼルについては主な販売経路は飲食業界向けになっていますね。レストランやホテルが中心です。その他はワインショップや百貨店などでも使われていますがほとんど小売店では販売しておりません。

3つ目にディアマンに関しては最高級のブドウを使い、ダイヤモンドカットのボトルを使って素晴らしいプレスティージュ・シャンパーニュを作ろうというコンセプトからうまれました。しかしプレスティージュだけではなく、スタンダードからプレスティージュまでフルレンジを揃えています。ディアマンに関しては品質、味わいのよさというのは当然として、ボトルの見た目が美しく華やかさもあり、現在、日本では高級フレンチレストランやシャンパンバー、ラウンジ、ナイトマーケットなどで高い評価を得ています。

確かにそうですねシャンパーニュは高価な品物でも他のブランデーなどのお酒に比べてボトルが地味なことが多いですが、このボトルは確かに人目を引きますね。

M:   一般的な消費者は、美味しいと思ったブランドを覚えて、同じシャンパーニュを買います。しかし、ヴランケンの3ブランドは、その前に覚えやすい強いインパクトがあります。それは名前と、ボトルです。
ドゥモアゼルとディアマンは「マドゥモアゼル」や「ダイヤモンド」と一般的に知られている単語か連想するネーミングから知名度を作ることができます。またエドシック・モノポールの黄色いラベルも人目を引きます。

特にドゥモアゼルとディアマンの2ブランドは一般的なシャンパーニュではなくスペシャリティを提案するような形で今後展開していきます。

そのなかでも最高のスペシャリティとしては今後、ヴランケングループのシャンパーニュでミレジム・ドールをリリースするつもりです。こちらはヴランケン社のコレクションになり、今私達の所有する地下セラーに眠っている、20万本のオールド・ヴィンテージを特別な木箱に入れて販売します。


05この地下セラーには何年から何年のヴィンテージが眠っているのですか。

M:  1800年代後半から1900年後半のものまで揃っています。珍しいものでは戦時中に難破した船から引き上げられた1900年代前半のエドシック・モノポールも貯蔵されています。しかしながら1960年以前のものは数も非常に限定されています。
ヴランケン・ポメリー・モノポールグループは数多くのメゾンを吸収してきたと同時にその立派な古酒も手に入れてきました。これからは世界中のVIPなお客様にオールド・ヴィンテージをリリースするつもりです。その際に、日本の金沢で作られた純金箔、漆塗りの箱に入れて提供するプランもあります。

このミレジム・ドールはディアマン、ドゥモアゼルのみでの提供でしょうか。

M:  いえ、これはヴランケン・ポメリー・モノポールグループ各ブランドのオールド・ヴィンテージをリリースする予定です。エドシック・モノポールだったり、シャルル・ラフィットだったり・・・。正式にはインターネットサイトで公開されます。今のところリリース時期は未定ですが楽しみにしていてください。

ミレジム・ドールはヴランケン・ジャパンとして一つのオリジナリティですね。更に毎年コフレが変わったりするとコレクターにはたまらない商品となるでしょう。ところで気になるのは販売価格ですが。

M:  そうですね。まだはっきりしたことは決まっていませんが、年代によって数十万円~数百万円になるでしょう。1980年でもヴィンテージ物は高価ですから、恐らく数十万からの価格帯になるとおもいます。

今後のヴランケン・ジャパンのヴィジョンを教えていただけますか。

M:  まずはシャンパーニュを限られた文化、限られた楽しみ方だけではなくもっと一般的に、お祝い事での利用など、様々な楽しみ方を提案したいと考えています。 それにはまず、シャンパーニュ・メゾンとしてお客様と知識、楽しみ方などの情報交換をするべきだと思います。

シャンパーニュは食前だけではなく、食事を通しても飲むことができます。まず、こうした様々なシャンパーニュの知識を、広めていきたい。そして、シャンパーニュは海外だけのものではなく、日本人のライフスタイルにおいてとても楽しめることをアピールしたいと思います。例えば夏の風流な花火大会、日本独特のお祝い事、例えば成人式、そんな場面で乾杯するような文化。そのような文化をもう少し作りたいと思います。あるいはシャンパーニュと和のコラボですね。例えばヴィンテージの着物だったり、会席料理とのコラボディナーだったり、もっともっとシャンパーニュと日本の文化を交流させていきたい。これは大きなコンセプトですね。

やはりヴランケン・ジャパンの役割として、日本の市場のニーズや未来を分析して一歩先を踏み出すのが使命だと思います。ヴランケン・ジャパンがもう少し大きくなったらそれぞれの地方でシャンパーニュセミナーを提供したいと考えています。


04すばらしいですね。シャンパーニュの日本における認知度を深めていくことはシュワリスタの私達としても必要不可欠だとおもっています。これは商売なので仕方ないのですが、現状は狭いシェアを各メゾンが取り合っているようなもので、本当はシャンパーニュ市場自体を広げる努力が必要だと考えています。

M:  そうですね日本のシャンパーニュ市場も少しずつ熟成しながら、更に熟成する為のステップや新しいニーズが出てくると思います。例えばシャンパーニュとスパークリングワインの違いを分かる人達が増えてきている、これも熟成の過程ではないでしょうか。その次のステップは様々なシャンパーニュをどのような楽しみ方ができるか。そこで私たちが提案できるか。レストランでシャンパーニュディナーを行ってお客様の見識を深めていただくのもひとつの考え方ですし、ミレジム・ドールのコフレを使って、シャンパーニュをひとつの固定されたイメージではなく伝えていく。

もちろんシャンパーニュとして、ブランドイメージは財産ですので、なかなかそれを変えることは難しい面はあります。私達は、シャンパニュメーカーとしてトレンディ、スマートなスタイルを守りつつ、日本の文化やライフスタイルの良いところを取り込んで、更にシャンパーニュを日本人のライフスタイルに溶けこむようにしていきたいと考えています。

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