SHレポート Bourdaire Gallois -珠玉のピノ・ムニエ-
シャンパーニュ地方北部に位置するシャンパーニュメゾン Bourdaire Gallois ブデール・ガロワ の当主ダヴィド・ブデール氏。なぜ彼のピノ・ムニエは特別なのか?
シャンパーニュといえば通常シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの三種をブレンドすることが一般的と言われています。しかしながらこのBourdaire Gallois ブデール・ガロワはほとんどのキュヴェにピノ・ムニエのみを使っています。
シャンパーニュ地方の北部はその遥か昔は海だったこともあり、いわゆる他のエリアと違い土壌が浜辺にあるようなサラサラな砂でできています。この土壌を”Sablo-Limoneux” サブロ・リモヌと呼びます。
特にPouillon プイヨン、Thil チル、Villers-Franqueux ヴィレ・フランク、Hermonville エルモンヴィル の5haにわたるSablo-Limoneux の土壌で育ったピノ・ムニエにより、シャンパーニュの独特なフレッシュさ、ミネラル感、フルーティさが生まれるのです。
この点が一般的な南部のVallée de la Marne ヴァレドゥラマルヌのような渓谷にある粘土質の大地から生まれる力強いピノ・ムニエの味わいとの大きな違いなのです。
まさに大地と海のコラボレーション。上品で凛とした泡立ちと味わいは、和食や生のシーフードとも相性が抜群です。とくにお寿司や季節的に生牡蠣などとも合うんです。
( ↓ 大阪滞在時、某オイスターバーにて生牡蠣に”Prestige”を注ぐDavid氏)
では彼のピノ・ムニエがもたらす”独特なフレッシュさ、ミネラル感、フルーティさ”を活かすにはどのようなこだわりがメゾンにあるのでしょうか?
まず1つ目はフレッシュさを保つ醸造過程にあります。
まずブドウを圧搾した後に、種など不純物を取り除く作業に入ります。
その際、直接、タンク内濾過・発酵に入ります。(通常一般的なメゾンは、その2つの作業間に果汁の分別をを行います。その段階で外気に触れ、ある程度酸化が進みます。)
そうすることで外気にほとんど触れず酸化が抑えられるのです。次に二酸化炭素を充填し、更に酸化を防止するのです。結果、酸化防止剤である二酸化硫黄を減らせるのです。
2つ目は、ブドウと自然を守る農薬の使用方法にあります。
通常は農薬は真上から振りかけるように散布されることが一般的ですが、Bourdaire Galloisでは、特別に斜め下から葉の裏側から噴射するマシンを導入しています。表面はもちろん真上からでは当たりにくい茎や葉の裏にしっかり行きわたり、雨天時に簡単に流れ落ちないような散布の工夫がされています。
このことで一般的に330リットル/haのから120リットル/haまで農薬使用を抑えることに成功しています。いかにブドウにも自然にも優しい作り手であることかがわかります。
(↑ David氏と六兵衛、NOEL A LA MODE 伊勢丹新宿店にて)
このように、ブドウ栽培からシャンパーニュまで一貫して造られているRM(レコルタン・マニピュラン)のなかでも一際こだわりが強いメゾンであることがお分かりいただけたと思います。
ピノ・ムニエの魅力がダイレクトにシンプルに味わえるBrut Tradition, Reserve。ピノ・ムニエ主体でピノ・ノワールとシャルドネで少しアクセントをつけたPrestigeはエレガントさと奥行きが更に増しています。特にピノ・ムニエのみのRoseは、ピノ・ノワール色が強いロゼに飲み慣れている方には非常に新鮮で透明感のある果実感を体験できるでしょう。(R&W FINE WINE内掲載URL http://rmchampagne.com/champagne/introduction03.html)
是非皆さんも味わってみてください!フレンチ・イタリアンだけでなく和食、特に生の魚介類とには、いままでにないマリアージュを楽しめること間違いありません!
Champagne Boudaire Gallois http://bourdaire-gallois.fr/
【販売店舗】
・R&W WINE SHOP 〒106-0047 東京都港区南麻布1-5-5青木葉マンション1階
・阪急百貨店うめだ本店 ワイン売り場
取材、文:15代目六兵衛
写真:Shwalista編集部