シャンパーニュを楽しむWEBマガジン [シュワリスタ・ラウンジ]

Menu Open

INTERVIEW

早春のきらめきと若葉たちの生命力
『ペリエ ジュエ ベル エポック 2011』。
最高醸造責任者エルヴェ・デシャン氏 インタビュー

予想よりも早くその朗報はやってきた。ベル エポックの2011年ヴィンテージ。この年はシャルドネにとって素晴らしい年だったとは聞いていたが、ベル エポックにとって果たして良いものなのか?は別問題。その杞憂は…まったく必要のないものだったといっていいだろう。豊満すぎず、哲学通りのエレガンス、さらにそこから新しい世界も。ニューヨークでのローンチを終えてその足ですぐに日本にこの朗報を届けてくれた最高醸造責任者のエルヴェ・デシャンさん。「とにかく早く日本でお披露目したかったんですよ」という嬉しい言葉から、インタビューは始まった。

SHW_INT_1202エルヴェさん
「2011年ヴィンテージは、特にベル エポックのシャルドネにとって大変良い年になりました。アロマはフローラルな中に美しく白い果物、そこからアーモンドのほのかな香ばしさ、ブリオッシュまで強くならないフィナンシェのようなニュアンス、口に含めばスポンジケーキのような柔らかいタッチ。口の中では爽やかでフレッシュなセンセーション、シャルドネの存分なミネラル感、爽快感も楽しめるでしょう」

いつもどおりの優しい語り口だが、その裏側には強い自信が感じられた。キラキラと輝く植物や果物の生命力が爽やかに、清らかに、そして溌剌と現れる。甘やかな香りはその中の慎ましやかな赤い果実と白い花の小さな庭。ヴィンテージは難しい。ベル エポックらしさとはなんだろうというものが問われる。基本、ブドウがよくなければ造られないが、良いというのは漠然とした言い方であって、その年ごとにその良さは違う。例えばシャンパーニュがグレートヴィンテージと沸き上がった2002。この年のいつもとは少し違う芳醇、奔放なパワーが好きな方がいれば、シャンパーニュとすればあまり話題にならなかった収穫年である04のフィネスとエレガンスこそベル エポックだと感じる人もいる。シャンパーニュ全体としての02ヴィンテージという歓喜を喜ぶ筆者も、04ベル エポックをいとしく思う、その一人だ。2011は、筆者の記憶では04のエレガンスに近い。

SHW_INT_1203エルヴェさん
「04と06、その中間に位置すると言えるでしょうね。06はフローラルさと生き生きとしたエレガントさがありました。2011年はフレッシュ、ポジティブな複雑さ、そしてデリケート。ベル エポックらしいエレガンスを感じていただけることでしょう」

過剰なリッチさではなく華やかさをやわらかく静かに伝えてくれる。そこに上質な爽快感がいきいきと。それが11年ヴィンテージ。どのような場面で登場してくらたら幸せだろう。

エルヴェさん
「まだ昼間の活気が残る夕方。フレッシュな料理をつまみながらのアペリティフ。ホタテを生のままカルパッチョで。そこにフィンガーシトラスや、日本のゆずなどを添えて。そしてもし、本当にもし少し残っていたら(笑)コースの最初の一皿目にもあわせていただければ素敵な夜のはじまりです」

ゆず…さすがに知日派、いや、知日派というよりも、もうすっかり日本をご自身のフランチャイズと考えてくれているエルヴェさん。それではより日本の場面に近づけていただこう。

エルヴェさん
「単純に寿司、刺身というよりももっと具体的に言えば、鱸や鯛といった上品な白身魚、イカ、タコなどもいいでしょう。それから薫り高い日本の春野菜を使った天ぷらに、春の山菜ならゼンマイも試したい」

山菜なども登場。日本のアーティストとのコラボレーション、ロゼにおける京都の紅葉というインスピレーション。エルヴェさんと日本との関係もまた、ベル エポックのクリエーションに力を与えているという。

SHW_INT_1205エルヴェさん
「欧米ではシャンパーニュといえばノエル(クリスマス)のシーズンが思い浮かびます。それは1年の締めくくりでもあり次の1年の始まりでもある祝祭のシーズンです。私は、日本の早春から桜の開花にクリエイティビティを刺激されます。日本にとってはこの季節が1年の始まるのような気がするのです。そこに身を置くと、私も次のアイデアが浮かびます。日本の自然に対する敬愛の念もまた私を刺激します。今回の2011年ヴィンテージが持つ、フィネス、繊細さ、ピュアさなどは日本の芸術性と共通する感性を持っているのではないかと感じているんです。料理における出汁、素材の考え方…ぜひ、和の世界にもあわせて楽しんでいただきたい」

クラマン、アヴィーズというグラン・クリュのシャルドネ(50%)から引き出した優雅さとフレッシュ感。モンターニュ・ド・ランスのピノ・ノワール(45%)がもたらす繊細な芳醇さ、ディジーのムニエ(5%)がもたらしてくれるやわらかさ。イエロー、グリーンの世界にハニー、シトラス、そしてアーモンドにペアーとカタカナを並べることはできるけれど、日本人が感じる2011年ヴィンテージは、どこか日本の早春、雪解けの芽吹きから薫風の爽やかな青空を思い出しながら、どこか違う、ここではないどこかに連れて行ってくれるような不思議な世界。エルヴェさんが感じた日本の早春、何かが始まる予感。美しく、でも、飾らない笑顔。なんとも清らかで心休まるシャンパーニュ。キメすぎない薄手の白いシャツ、ボタンを一つ外して、夕方早めから楽しみたい。

SHW_INT_1204

ペリエ・ジュエ 公式サイト:https://www.perrier-jouet.com/jp-ja/

recommendForYou

シャンパーニュの多彩と伝統を守る一族。その絆と挑戦
デュヴァル=ルロワ専務ジュリアン・デュヴァル=ルロワさんインタビュー

INTERVIEW

日本でいえば「3本の矢」の逸話を思い出す。1991年、当主である夫を亡くした、まだ30代半ばであったキャロルさん。そこからメゾンの新たな物語が紡がれた。当主となったキャロルさんの強・・・ read more

ローラン・ペリエ × シュワリスタ・ラウンジ特別交流パーティ『ローラン・ペリエ ラ キュヴェ』~歴史が変わる瞬間を、明るく楽しく

REPORT

2017年5月24日(水)、ローラン・ペリエ社輸出担当/インターナショナルキーマーケティング担当であり、シャンパーニュ地方出身のギョーム・パイヤール氏を迎えて、読者交流パーティを開・・・ read more