シャンパーニュを楽しむWEBマガジン [シュワリスタ・ラウンジ]

Menu Open

NEWS

<シャルドネ・ローズ>シャンパーニュAOC の生産規定に正式認定

ブドウ品種<シャルドネ・ローズ(Chardonnay Rose)>がシャンパーニュAOCの生産規定に正式に認定された。農学的にも醸造学的にも、シャルドネ(ブラン)に近い特性を持つものという。既に認可されている7つの主要品種(シャンパーニュのブドウ栽培のほとんどを占めるピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネ(ブラン)に加え、アルバンヌ、プティ・メリエ、ピノ・ブラン、ピノ・グリ)とあわせ、認められるブドウ品種は合計8種となる。

シャルドネ・ローズはシャルドネ(ブラン)の自然変異種である古代品種。シャンパーニュ委員会のリリースによれば、1900年代初頭にはすでにシャンパーニュやブルゴーニュで確認されていて、「熱意ある栽培家たちによって守り継がれてきた」ものの、これまでは研究用の保存畑やごくわずかな区画でしか見られなかったが、2018年にフランスのブドウ品種カタログに登録。正式な植物学的アイデンティティが与えられ、増殖が可能となったとのこと。

シャルドネ・ローズは、栽培全体のわずか0.5%とごくわずかなものではあるが、「それでもこの追加は、シャンパーニュが遺伝的多様性や植物遺産を守り、気候変動に適応していく強い意志を示すものである」とシャンパーニュ委員会のコメントは力強い。気候変動という課題に直面しながらも、自然と調和しつつ進化することがシャンパーニュの姿勢。「忘れ去られたブドウが再び脚光を浴びる」(シャンパーニュ委員会)ことでもたらされる価値に期待したい。まだ直近で味わえるものではないだろうが、シャルドネ・ローズが使われたシャンパーニュがどのような新たな幸せをもたらすのか、楽しみに待つとしよう。

なお元のシャンパーニュ委員会のリリースと当記事ではシャルドネ・ローズとの違いを明確にするため、<シャルドネ(ブラン)>と表記しているが、シャンパーニュ委員会の見解では、現状(2025年10月22日現在)、これまでのシャルドネは<シャルドネ>との呼称・表記となるとのことだ。

BACK NEXT