シャンパーニュの二十四節気
VOL.2 【大暑】世界遺産のマリアージュ
シャンパーニュの丘陵、メゾン、カーヴ、ユネスコ世界遺産に登録
先日、シャンパーニュ地方の丘陵、メゾンとカーヴが、ユネスコ世界遺産に登録されました。シャンパーニュ地方の中心の街ランスには、ランス大聖堂やサン・レミ聖堂、トー宮殿と、1991年に登録された3つの世界遺産があり、それだけでも素晴らしい事でしたが、シャンパーニュ地方全体が世界遺産に登録された事は、とても喜ばしい歴史的な出来事ですね。
お寿司とシャンパーニュの関係
2年前に和食が世界遺産に登録された事も記憶に新しいのですが、今年の夏は和食とシャンパーニュ、夢の?世界遺産どうしのマリアージュを楽しみたいと思っている愛好家も多いはず。暑さで食欲がないけど、お寿司なら食べられる!そんな方のために、少しだけ、お寿司とシャンパーニュの関係をお話したいと思います。
繊細なお寿司には、ドンペリニヨン
酢飯が酸っぱいせいか、『お寿司にはブランドブランかエキストラブリュット』と考える方が多いようですが、実は、少し熟成が長く、角が取れて穏やかなタイプがオススメです。旬を迎えた白身魚や海老、穴子の甘いタレなど、割と甘味のある食材が多いからなのですが、酸の強すぎるブランドブランや、テロワールをガツンと主張してくるエキストラブリュットだと、お寿司の繊細な部分がかき消されてしまいます。産地ブランドの高級な鮪が口の中でとろける感覚や、歯ごたえを楽しむ貝類、柑橘をギュッと絞り塩で頂く烏賊や平目、キリリと〆た光もの。酢飯もネタによって温度や酢を変える板前さんもいらっしゃるくらい、お寿司はとても繊細な食べ物です。
そんな、繊細で様々な表情のお寿司にオススメするシャンパーニュは、ドンペリニヨン。
酸と熟成のバランスが良く、香りも主張しすぎず、どちらかと言うと、魚系に良く合うシャルドネのニュアンスが強い。泡も細かく、口の中を邪魔しない。シャンパーニュを知り尽くした人にしたら物足らなささえ感じますが、それが何となくホッと安心感を与えてくれます。どのネタにも寄り添う感じが、まるで主役にも脇役にもなれる秀逸な女優さんのよう。とは言え、そう滅多に頂けない高価な組み合わせなので、ここぞと言うスペシャルな日や、夏の暑さに負けてしまいそうな時にぜひどうぞ!
ちなみに余談ですが、『ボランジェ・グランダネロゼには寿司』と10年前にボランジェのメゾンに伺った際に頂いた本に書いてありました。写真的には鉄火巻き!鉄火と醤油に、樽香るアイ村のピノノワール・・・乙ですね~。お寿司とシャンパーニュの関係は、奥が深い!
「シャンパーニュの二十四節気」 / 著:木村佳代(きむらかよ)
黄金色にキラキラと輝くシャンパーニュ。
かつては、お祝いの席など特別な日のお酒でしたが、第一次ブームを経て、最近では仕事帰りに楽しむ女性が増え、
カジュアルなお酒へと変わってきました。
そこで、季節の多彩な日本の象徴である二十四節気を切り口として、日々の季節の移ろいを楽しむ為の二十四種類の
シャンパーニュの銘柄紹介と「特別な日」だけではないシャンパーニュの愉しみ方をエッセイにまとめました。
二週間に一度、がんばった自分に、そしてこれからもがんばる自分の活力の源泉としての一冊。
二十四節のパートに著者がパリ、ランス、軽井沢等で撮り下ろした写真も掲載されています。
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