シャンパーニュを楽しむWEBマガジン [シュワリスタ・ラウンジ]

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INTERVIEW

シャンパーニュの多彩と伝統を守る一族。その絆と挑戦
デュヴァル=ルロワ専務ジュリアン・デュヴァル=ルロワさんインタビュー

日本でいえば「3本の矢」の逸話を思い出す。1991年、当主である夫を亡くした、まだ30代半ばであったキャロルさん。そこからメゾンの新たな物語が紡がれた。当主となったキャロルさんの強烈ともいえるカリスマやリーダーシップは、フランスにおいては「力強いキャリアウーマン」の一つの象徴となっているが、一方、キャロルさんが標榜するシャンパーニュは「女性のエレガンス」というキーワードで繊細さと気品を表現し続けている。
その物語は実務や精神面おいて、91年当時にはまだ幼かった3人の息子たちが支えてきた。母として、女性としてのキャロルさん、キャリアウーマンとして辣腕を振るうキャロルさん。その両面。息子たちとの絆、理解や愛情、そして彼らの才能あればこそだったのだろう。今回は、その一人、ジュリアンさんと語り合える機会をいただき、シュワリスタが聞きたかった3つのトピックスを聞いた。

 

信頼関係、そして長期的視野

SHW_INT_1806_0102まずひとつめの質問は「家族経営」というトピックスです。マダムを先頭に、ファミリーで哲学を守り続けるデュヴァル=ルロワ。その中で、多岐にわたる仕事があると思いますが、ジュリアンさんが担う、現在の主なミッションはどういったものでしょうか。

ジュリアンさん:「人事」、「法務」、仕入れを含む「ぶどう栽培家との関係」は私の担当です。メゾンに戻ってくるまで、アメリカで国際ビジネスを学び、コンサルタント会社で働いたあと、独立して自分の会社を持っていました。現在、デュヴァル=ルロワに戻って8年になります。

外部でキャリアを積まれたからこそ感じる家族経営の良さ、逆にプレッシャーは?

ジュリアンさん:まず良さですが、お互いに信頼関係があるので、短期的な視野ではなく、長期的な視野で物事をとらえることができます。いろいろな人との関係を密に保てることも大きいですね。それは社内だけではなく、例えば私のミッションでもあるブドウ栽培農家の人たちとの関係でも言えることです。お互いにどこのだれかを的確に把握している。3年に1回ずつ部長が替わるというようなこともありませんから信頼関係の構築はしやすいですね。もうひとつは迅速な判断。株主の了解云々を必要とせず、我々がやるべきこと、やりたいシャンパーニュ造りへの決断をすぐに決めることができる。長期的な視野と迅速な判断は相反するものではなく両輪です。一方でプレッシャーですが、それについてはどこにいてもあります。私には常にそばにいてくれる人がいて、頼りにもできる。何かのプレッシャーが私にだけかかるわけではないですから、やはりこれも家族経営のアドバンテージだと思います。

 

個性の表現としての多彩、シャンパーニュを守るための多彩

SHW_INT_1806_01032つめは、オーガニック、サスティナブルについて。デュヴァル=ルロワという名前やシャンパーニュのテイストはシュワリスタには知られているところですが、設備投資を含めたこうした取り組みについて、30年以上前から取り組んでいるパイオニアのひとつだということは、もしかしたら知られていないかもしれません。なぜ取り組み続けるのかをお聞かせください。

ジュリアンさん:環境を大切にすること。それは土地の力を信じているからです。そして私たちファミリーには、土地や環境は、「子どもたちの世代から借りている」という考え方があります。だから守らなければいけないのです。ただ、一つのやり方がすべての土壌に正しいとは限らない。ブドウ畑に対してはどういうやり方が一番いいのかということを見極めるのが大切です。それがうまくいけば、はっきり結果として表れていきます。また、ブドウ畑ということだけではなく、関係する人々、例えば紙の納品業者、紙を使う分1本、木を植えていただくなどの契約ができる方々と一緒に取り組んでいます。廃棄物などについても同様ですし、ISO9002(品質管理システム)の取得もその一環です。ただ、例えば太陽光パネルだけですべての電力を賄うというのは無理かもしれません。今後ともできるだけ取り組んでいきたいですし、他の生産者も同じように取り組んでいただけることは嬉しいことです。

他にも、食物アレルギーへの対応、すべてのキュヴェにおける動物性食品フリーの考え方と取り組みなど、表からは見えにくい努力や消費者への愛情もメゾンの素晴らしい哲学でもありますね。
それでは3つめです。デュヴァル=ルロワのアイテムは多岐にわたっていますが、シュワリスタが今聞きたいのは2016年より登場した『プレシャス・パーセル・コレクション』です。キャロルさんとジュリアンさん、シャルルさん、ルイさんという3人の息子さんの4人がそれぞれのスタイルでそれぞれのシャンパーニュをプロデュースするという実にユニークな取り組みです。グラン・クリュのすごみがあるもの、プルミエ・クリュの美しさがあるもの、オーガニックの表現に、古代品種プティ・メリエのルネッサンスなどのコンセプトも素敵。わくわくするライアンアップで、いずれも魅力的です。

ジュリアンさん:ありがとうございます。それぞれのテロワールの持ち味、そこから生まれるブドウの持ち味を純粋に考えた結果です。土地、区画を生かすブルゴーニュのワインメイカーのような考え方に近いかもしれません。

例えば、グラン・クリュであるブジ―のピノ・ノワールをブリュット・ナチュールで。これはブリュット・ナチュールを作りたくてブジ―を選んだのではなく、結果、ブジ―であることを生かすためにブリュット・ナチュールとなったということでしょうか?

ジュリアンさん:そのとおりです。まずブジ―があって手法がある。2005年、醸造責任者が「ブジ―で素晴らしいピノ・ノワールが手に入った!」という、そこからがスタートです。10年寝かせて、その素晴らしい変化を確認して、そこでドサージュを決めた。素晴らしい健康・衛生状態でもあり、欠点を隠すという方向性での補糖は必要なかったのです。

 

喜びの酒、その原体験

SHW_INT_1806_0104『クロ・デ・ブーヴリー 2006年』 についてもお聞きしたい。これは私個人として、このわくわくするラインナップの中で、もっとも興奮して迎えたアイテムです。なぜならば、クロ・デ・ブーヴリーがあるヴェルデュ村はメゾンにとって創業の場所であり、この畑はファンにとっても聖地的な存在ではないかと思います。そのテロワールを堪能できる。こういう物語に弱いんです(苦笑)

ジュリアンさん:アリガトウゴザイマス(笑)。当社にとってこの畑、この場所は歴史的な存在。100年以上所有し、常に私たちの心にあります。持続可能性の取り組みもここから始まりました。ここでの体験を他の畑にも展開したいんです。特徴としては、土壌の調査をすると、コート・デ・ブランといっても他と特性が違う。ぜひ味わっていただきたいですね。

公式リリースではキャロルさんも「この畑で造られるワインは大好き」とおっしゃっていて、質はもちろん、ここから広がる景色も大切な一つの要素とおっしゃっていますね。そういう思いというのも楽しいものです。最後にこの流れで。これまでの話を踏まえて、デュヴァル=ルロワをどのように楽しんでいただきたいですか?

SHW_INT_1806_0105ジュリアンさん:たとえば今、『ファム・ド・シャンパーニュ グラン・クリュ 2000』をあなたと一緒に楽しみながら話していますが、改めて目を閉じて、18年前に収穫された、その年のことを思い出しながら飲むと、また感じ方が違うことでしょう。それもシャンパーニュの楽しみ方ですよね。ここまで我々の取り組みなどをお話してきましたが、あまり真面目になり過ぎないで、自由に楽しんでいただきたい。シャンパーニュは喜びの酒。もう一杯飲みたいな、そして幸せな気分だな、そんなところにデュヴァル=ルロワがあればうれしいです。日常でいい。私は母が造った料理が大好きです。彼女はとても料理上手ですがその中でも飾らない普段の料理もとても好きなんです。そこにシャンパーニュがある。それで幸せです。みなさんも、デュヴァル=ルロワとそんな時間を楽しんでください。

 

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デュヴァル=ルロワ公式サイト:http://www.duval-leroy.com/

 

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