シャンパーニュを楽しむWEBマガジン [シュワリスタ・ラウンジ]

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SHWA TALK

【新作レビュー】モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2009

by 編集長・岩瀬

ここではないどこかへ。さあ、連れて行ってもらおうか
『モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2009』

シュワリスタ・ラウンジがオープンしてから11年。その初期から注目していたのがモエ・エ・シャンドンのグラン ヴィンテージだった。当時、まだ醸造最高責任者に就任して間もないブノワ・ゴエズに、「世界の定番」ともいえる『モエ アンぺリアル』、つまりノン・ヴィンテージを手掛けることと、ヴィンテージ・シャンパーニュを手掛ける、その2つの喜びと重圧について何度か話を聞いた。

▼その時のインタビューの一部
http://www.shwalista.jp/archive/special/080901/index2.html
http://www.shwalista.jp/archive/monthly/report/101201/index.html

世界中どこでも、いつでも同じ世界を見せてくれるノン・ヴィンテージに対して毎年、見える世界が違う。それが『グラン ヴィンテージ』の個性だ。ブノワ自身が語る00は「ブルターニュの朝の海岸」、03は「カリブの孤島、しかしリゾート」。直近の08で僕が感じたのは「春から初夏への溌剌」。不思議に絵が浮かぶのは、実は、ブノワがこうしたヴィジョンを持ちながら創造していくから。緻密なパズルと奔放な芸術性。名門メゾンのワインメーカーたちを総じて称するならばこうした表現を使うが、『グラン ヴィンテージ』に関しては、その奔放な芸術性が見事に表現された作品だろう。もちろん、陶芸や絵画と同様、緻密なパズル、それを支える膨大な知識、技術があってこそそれは実現するのだけれど。

そして『グラン ヴィンテージ 2009』。果たして今度はどんな作品なのだろう。リリース発表のタイミングで来日した10人のワインメーカーの一人であるアミン・ガネム氏に、ワイン情報誌『WINE WHAT』の特集記事でのインタビューの機会を得た。

▼WINE WHAT online
https://www.wine-what.jp/wine/28881/

一緒にテイスティングをしながらあれこれと感想を語りあったのだけれど、アミンさんたちワインメーカーも、ブノワとヴィジョンを共有しながら造りあげていくのだという。では、08の溌剌から1年、09に関してはどのような場面が浮かぶのだろうか。(『WINE WHAT』でのテキストをそのまま引用する)
「夏の終わり。平原の古くて大きな家のテラス。そこから静かな風の中で揺れる黄金のすすきの穂たちを眺める。静謐で豊かな時間。座っているのは使い込んでいる革の心地よい椅子……。そんな光景が広がるようです」。
僕が感じた、収穫されたばかりの穀物のような香ばしいニュアンス、完熟した趣、ピノ・ノワールの落ち着いた大人の広がり。それを彼はこのような言葉で映像化してくれた。前のヴィンテージである2008年のシャルドネの爽快感、溌剌さと優美さのインテンスとは大きく変わった世界が広がったが、なるほど、09。アミンさんと同じ場所にいるような、幸せな錯覚に陥った。

SHW_Tlk_1801_Iwase_02同時にリリースされる『グラン ヴィンテージ ロゼ 2009』についても語りあった。ここでも素敵な場面が浮かぶ。
「マシュマロやコットンキャンディのタッチ。子供たちが庭で心底楽しんでいる様子を眺めながら。そんな楽しい休日の午後にようこそ!(笑)」
グラスに注がれた瞬間に広がる熟成し、華やかな魅力を発散する芳醇な赤い果実と花束。しかしグラスを傾けじっくりとテイスティングすると一転、かわいらしい世界へ。この変化。童心を取り戻して、少しずつ子供の瞳を取り戻すような自分がそこにいたような気もする。これも08の誠実で繊細、いつか自由を勝ち得ようとがんばる青年や若い女性を思わせた世界から、よりきらめきとかわいらしさへ。でもどこかに大人な表情という09ロゼ。これもまたがらりと絵を変えてきた。

その年その年のシャンパーニュの気候・風土という絵具をもとに、キャンバスにその絵具の色から広がっていく作品、場面、物語。09というキャンバスで描かれた絵。ブノワとそのチームによる新作も、変わらず、どこかに僕らを連れて行ってくれる。両アイテムとも2018年春から、順次リリースされる。

モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ 2009
品種:ピノ・ノワール50%、シャルドネ36%、ムニエ14%
希望小売価格:8,950円

モエ・エ・シャンドン グラン ヴィンテージ ロゼ 2009
品種:ピノ・ノワール59%(うち19%が赤ワイン)、シャルドネ30%、ムニエ11%
希望小売価格:10,150円


モエ・エ・シャンドン公式サイト:
 https://moet.jp/
公式 LINE アカウント: https://moet.jp/line/
Facebook: https://www.facebook.com/moet.jp
Instagram: https://www.instagram.com/moetchandon/

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