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sH レポート
業界向けの試飲会やイヴェントの模様、インポーターやメゾンの話題などを、シュワリスタ視点でレポートします
Vol.20
10.1.27 up

『ニコラ・フィアット』
生産者インタビュー

text: アルフレッド白丘 photo: 編集部 藤原
取材協力: 日本酒類販売株式会社

シャンパーニュといえば長い伝統に培われ、名声に裏づけされた名門が作るというイメージを抱く人も多いことでしょう。しかし、実は大手の生産者には、創始者がまだ存命している比較的新しいブランドも存在します。今回SHレポートで紹介するニコラ・フィアットが、まさに、新しいブランドのひとつ。

【ニコラ・フィアット概要】
1999年に日本に初輸入されてから今年で11年目。日本ではまだまだ認知度が高いとは言いがたいのですが、フランス本国では年間2500万本もの生産量を誇るシャンパーニュの中でも大手に数えられるブランドなのです。

sH エクスクルーシヴ インタビュー

2009年10月27日、その豊富なラインアップを知る機会として、レセプションが小笠原伯爵邸で開催され、CEOであるドミニク・ピエール氏が来日。この日提供されたシャンパーニュは「ニコラ・フィアット」、「パルム・ドール」を含む全6種類。スペイン料理とのマリアージュが提案された会場で、お話を伺いました。

(写真右)ニコラ・フィアットCEOのドミニク・ピエール氏

始めまして。早速ですがニコラ・フィアットについてのイメージやブランドのコンセプトについて簡単に教えてください。

DP:  今日はご参加いただきありがとうございます。私たちはフランス内でNo1のブランドであろうとしています。シャンパーニュも色々なタイプを用意しているので今日は是非楽しんでください。ご質問のお答えですが、従来シャンパーニュにもたれているイメージは伝統、格式、セレブリティなどであったと思います。しかし私たちは若さ、カジュアル、コンテンポラリー、フレッシュなど従来のシャンパーニュマーケットではないカジュアルでかつ、様々な飲み方で楽しんでいただきたい。伝統あるメゾンとは違う切り口でマーケットを開拓しています。

なるほど新しい試みでシャンパーニュのイメージを作っていかれているのですね。ニコラ・フィアットといえば比較的近年に創業されましたが、今までの伝統あるシャンパーニュに参加することは困難ではなかったですか。

CP:  困難はありませんでした。それは私達が別の路線をいくコーペラティブだからです。他の古くからのメゾンは歴史や伝統があります。ニコラ・フィアットは伝統や格式ではなく、多くの生産者をまとめることがはじまりでした。

コーペラティブとしてのニコラ・フィアットの強みといえば何でしょうか。

CP:  私たちの強みはコーペラティブに参加されている多くの生産者から、豊富なブドウの量、そして多くの品種を集められることです。これによって様々な特徴をもったシャンパーニュを生産することができます。

今回は小笠原伯爵邸という伝統ある空間で、かつスペイン料理とのマリアージュという面白い提案をしていますが、ニコラ・フィアットのシャンパーニュを日本ではどのように楽しんでもらいたいと考えていますか。

CP:  シャンパーニュとして特定の時にいただいて楽しむというスタイルではなく、できればたくさんの人に色々なシーンで楽しんでいただきたい。そして、このようなパーティでも1杯だけ飲んで楽しむのではなく、会の最中にずっと飲み続けられるようなシャンパーニュでありたいですね。

ニコラ・フィアットのシャンパーニュを料理とあわせるマリアージュで理想的な組み合わせは?

CP:  ワインとしてもしっかりとしているので醤油や味噌にも負けません。コース料理などでは最初はブラン・ド・ブラン、次にブルーラベル(ブリュット・レゼルブ・パティキュリエール)、パルム・ドールはしっかりとしているので、肉料理などとあわせても楽しんでいただけます。

最後に日本のシャンパーニュ・ファンに一言お願いします。

CP:  まずいつでも楽しめるシャンパーニュを私たちは提供したい。 日本の多くの人が好きになるシャンパーニュでありたい。またこのシャンパーニュを飲むなら、ごちゃごちゃ 言わず飲みたい時に飲む、そのような愛されるシャンパーニュでありたいと考えています。

Line Up

Brut Réserve Particulière

ブリュット・レゼルブ・パティキュリエール

PN40%、CH20%、PM40% 。ライトゴールドの色調、フローラルな香りに加えて、洋ナシ、ミラベル、イチジクなどの果実の風味と、更にアーモンドとヘーゼルナッツの香りが混ざり合っています。

【相性の良い料理】
オマール海老のクリームソース、舌平目のモリーユ茸添え、鶏肉の串焼きレモン風味

Rosé Brut

ロゼ・ブリュット

PN60%、CH10%、PM30%。サーモンピンクの色調、ブラックベリー、フランボワーズ、すぐり、苺のアロマがほのかにただよいます。

【相性の良い料理】
鱒のタルタルステーキ、豚肉のフィレ・ミニョン、柑橘類の甘酢ソース、山羊のチーズ、赤い木の実のシャルロット

Brut Blanc de Blancs millésimé

ブリュット・ブラン・ド・ブラン

CH100%。シャルドネが西洋さんざしやアカシアなどの白い花のブーケをもたらします。柑橘類、洋梨、菩提樹の香りもほのかに感じられます。

【相性の良い料理】
牡蠣、仔牛肉の蒸し煮プルオット茸添え、寿司、マンゴスープとエキゾチックフルーツ

Cuvée Spéciale Brut

キュベ・スペシャル・ブリュット

PN40%、CH40%、PM20%。最初に赤い果実の香りが強く感じられ、わずかにスパイシーなドライフルーツの香りが引き続き現れてきます。

【相性の良い料理】
刺身(鯛、蛸、マグロ赤身)、サーモンマリネ、パルマ産生ハムのリゾット、薄切り鴨のマリネ

Palme d'Or

パルム・ドール・ヴィンテージ

最低8年熟成。深みのあるゴールドの色調。シトラスやバター、トースト等の複雑で芳醇な香り。

【相性の良い料理】
トリュフ、パスタ、熟成したハードチーズ

Palme d'Or Rosé

パルム・ドール ロゼ ヴィンテージ

最低5年間熟成。サーモンピンクの色合い。ラズベリー、チェリー、カシスなどの力強い香り。

【相性の良い料理】
リードヴォー、サーモンタルタル、北京ダック

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